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天人誕生図の研究―東アジア仏教美術史論集 上製
吉村怜 著
出版社:東方書店
出版年:1999年03月
コード:00536   608p   ISBN/ISSN 4-497-99561-5
 
価格 20,900円
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独創的な仏教美術史論の金字塔!
学界の定説に捉われることなく、自由な発想に基づいて独創性を発揮しつづけた著者の業績を集大成。中国を中心とした東アジアの仏教美術史に関連する論文28篇(監修1篇を含む)を収録する。第1部「天人誕生図像の研究」では、仏教美術に頻出する天人像に西方系・南朝系の2種類があり、誕生の仕組み、飛行法などが異なっていることを解明する。第2部「止利様式南朝起源論」では、明治以来学界の定説となっている飛鳥時代仏像の北朝起源説を覆し、南朝起源説を展開する。第3部、第4部の「個別研究」では、雲崗石窟の編年や東大寺大仏開眼会など、中国・日本の仏教美術に関するさまざまな問題を論ずる。

編著者のことば
たとえ南朝の美術品が現存しなくとも、漢族の正統をつぐ南朝国家が仏教美術品を制作しなかったわけではない。宋・斉・梁・陳とつづく南朝国家は仏教を手厚く保護し、多くの仏寺、仏像をつくったことは文献が示すとおりである。ならば、それらが具体的に如何なる美術作品であったのか、現存する文献と卓抜なる着想をもってして、少しでも明らかにすることこそ、美術史学研究者の義務ではなかろうか。吉村先生は蓮華化生図を武器に、南朝系仏教美術の世界を構想し、加えて文献研究によって中国南北朝の仏像様式を明らかにせんとしたのである。(大橋一章「序」より)

構成
序(大橋一章)
自序―本書の構成について
第1部 天人誕生図像の研究
盧舎那法界人中像の研究
1 序/2 人中像の記録/3 人中像の形態/4 異形の盧舎那仏/5 西域発見の人中像/6 雲崗第18窟本尊像
雲崗石窟における蓮華化生の表現
1 序/2 天の蓮華からの聖誕/3 天井―浄土における天空/4 蓮華化生像の諸相/5 浄土願生思想/雲崗石窟における蓮華装飾の意義
1 序/2 蓮華―生命のシンボル/3 蓮華座思想/4 蓮華―光明のシンボル/5 結
龍門北魏窟における天人誕生の表現
1 序/2 龍門式天人の出現/3 龍門世界を彩る天の蓮華/4 蝶のように羽化する天人/5 石窟天井の新様式の天人/6 結
鞏県石窟における化生の図像
1 鞏県石窟の創建/2 鞏県石窟の造営次第/3 浄土における聖者の誕生/4 二系統の天人誕生図/5 天井装飾―浄土の天空/6 結
百済武寧王妃木枕に描かれた仏教図像
1 武寧王陵の発見/2 武寧王の出生秘話/3 南朝文化の百済への影響/4 王妃木枕に描かれた天人誕生図/5 変化生は南朝の創製/6 結
天寿国繍帳と金銅灌頂幡に見られる天人誕生の図像
1 序/2 天寿国繍帳は浄土図か/3 金銅灌頂幡大幡に描かれた天人誕生図/4 金銅小幡の場合/5 結
南北朝仏像様式史論
1 序/2 梁武帝の造仏/3 南朝様式の北魏龍門への波及/4 南斉帝陵磚画の天人像/5 中国仏像様式の南北問題/6 結
敦煌石窟における天人像の系譜
1 序/2 敦煌における西方系図像/3 敦煌における初期的漢化と本格的漢化/4 敦煌における南朝系天人像の流行/5 敦煌における南朝系天人像の終焉/6 結
南朝天人図像の北朝および周辺諸国への伝播
1 序/2 南朝における天人誕生図の発生/3 南朝式天人の北魏への伝播/4 南朝式天人の北朝全域への波及/5 南朝文化の朝鮮三国への伝播/6 南朝仏教文化の日本への伝播
第2部 止利様式南朝起源論
止利様式南朝起源論―止利式仏像の源流
1 序/2 北魏式日本伝播説の矛盾/3 南朝式仏像の日本への波及/4 南朝文化圏の膨張/5 鞍作止利の家系/6 結
法隆寺献納御物王延孫造光背考
1 序/2 高句麗製とする説/3 銘文の形式/4 王廷孫の出自/5 飛天光の形制/6 結
龍門様式南朝起源論―町田甲一氏の批判に答えて
1 序/2 雲崗様式の定義/3 紳帯式仏衣の起源/4 龍門様式の定義/5 胡族的なるものから南朝的なものへ/6 結―南朝仏像の北朝への影響
成都万仏寺址出土仏像と建康仏教―梁中大通元年銘のインド式仏像について
1 序/2 梁中大通元年銘釈迦造像記の検討/3 建康仏教と成都仏教の較差/4 梁朝益州刺史の奉仏事業/5 建康・成都間の漕運/6 結
日本早期仏教像における梁・百済様式の影響
1 序/2 南朝仏教の百済への伝播/3 仏教伝来時の舶来像/4 飛鳥寺の根本本尊像/5 南朝文化圏の膨張/6 結
止利式仏像と南朝様式の関係―岡田健氏の批判に答えて
1 序/2 止利様式南朝起源説の経緯/3 仏教伝来時における南朝人の活躍/4 陳様式の日本への伝播/5 止利式仏像に見られる南朝的特徴/6 結
飛鳥白鳳彫刻史試論―一時代一様式的理論への疑問
1 序/2 止利様式と非止利様式の共存/3 推古朝における新外来様式/4 隋唐様式のわが国への輸入/5 飛鳥白鳳彫刻の時代区分/6 結
第3部 個別研究(中国)
仙人の図形を論ず―法隆寺金堂薬師如来台座の墨画飛仙図に関する疑問
1 序/2 仙人の意義/3 仙人の外見的特徴/4 南北朝時代の仙人像/5 日本古代の仙人像/6 結
天人の語義と中国の早期天人像
1 序/2 飛天という名称に対する疑問/3 経典中に見る天人の用例/4 神仙を意味する天人/5 中国の早期天人像/6 結
南朝の法華経普門品変相―劉宋元嘉二年銘石刻画像の内容
1 序/2 画像の概要/3 観世音菩薩普門品変相/4 彼岸へかかる橋/5 結
雲崗石窟編年論―宿白・長廣学説批判
1 序/2 護国寺・崇教寺石窟問題/3 雲崗石窟分期論の争点/4 第5・第6双窟の完成年代/5 雲崗芸術の特質―徙民文化/6 南朝文化の北魏への伝播/7 雲崗石窟芸術の諸問題/8 結
曇曜五窟造営工事の検討(吉村恒・石原金洋・吉成壽男・高橋浩著、吉村怜監修)
1 序/2 地形および地質概要/3 検討条件/4 主要工事数量/5 工期・作業員数の計算/6 全体工程・労働者数/7 労働力の平滑化/8 結
曇曜五窟論―曇曜五窟造営次第
1 序/2 曇曜五窟の開鑿年代/3 五窟の概況/4 当初の造営計画と工事中の事故/5 五窟と五帝の関係/6 供養者像切断事件の怪/7 結
洛陽永寧寺塔址出土の塑像
1 永寧寺塔の発掘/2 永寧寺塔の構造/3 塔基出土の遺物/4 『洛陽伽藍記』による復原/5 永寧寺塔の終末
盧舎那法界人中像再論―華厳教主盧舎那仏と宇宙主的釈迦仏
1 序/2 人中像の新資料と最古の記録/3 法界人中像の語義/4 五趣・六道を身内に図示した盧舎那像/5 十方三世の諸仏を身内に図示した盧舎那像/6 結
第4部 個別研究(日本)
玉虫厨子台座供養図に描かれた奇蹟
1 序/2 台座供養図解説/3 異時同図法による解釈/4 供養の具出現/5 結―仏国土幻想
東大寺大仏開眼会と仏教伝来200年
1 大仏開眼会の諸行事/2 大仏の造営次第/3 開眼会当日の大仏の情況/4 未完成のまま開眼会を行った理由/5 像法の中興/6 結―仏教の運命論的年代観
薬師寺仏足石記と書者「神直石手」について
1 仏足石と仏足石記/2 仏足石記全文/3 第2銘の難解個所/4 書者神直石手について/5 仏足石記訓読/6 結―制作状況
図版一覧/後記

■編著者紹介
吉村 怜(よしむら れい):1929年東京生まれ。早稲田大学文学部卒業、同大学院東洋美術史学専攻修士課程修了。早稲田大学文学部助手、講師、助教授、教授を歴任し、1999年3月をもって退職。早稲田大学名誉教授。『中国仏教図像の研究』(東方書店)ほか、『中国美術の旅』、『會津八一―その人とコレクション』(共著)など編著書多数。
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