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蒋介石―マクロヒストリー史観から読む蒋介石日記 上製
黄仁宇 著/北村稔・永井英美・細井和彦 訳/竹内実 解説
出版社:東方書店
出版年:1997年12月
コード:00504   472p   ISBN/ISSN 4-497-97534-7
 
価格 4,620円
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「独裁者」の実像に迫る!
新中国誕生の基礎に関わりながら、ほとんど毛沢東に敵対する存在としてしか語られてこなかった蒋介石。しかし、抗日戦や内戦の指揮から諸外国との交渉、武器・弾薬の調達や土嚢用の麻袋の手配まで、一切合切を背負っていた蒋介石とは、本当にただの独裁者だったのだろうか? 本書は台湾の時報文化出版から刊行された『從大歴史的角度讀蒋介石日記』の完訳。本人の日記の引用からは、あるべき自らの姿と現実との差異に苦しみ、軍事顧問スティルウェルとの、あるいは欧米文化との確執に悩む、一人の男の姿がかいま見える。さらに、周囲の人々の証言、書簡や電報を含む豊富な史料を駆使して、蒋介石の真の姿に光を当てる。

編著者のことば
中国現代史が人々の期待に応えていないように思われる現在、蒋介石日記を広く読者に提供することは、中国現代史を本来の姿に返す効果があるだろう。……ある作者の蒋介石伝は、まるで新たに編纂された二十七番目の正史の「太祖本紀」のようで、蒋介石を祭り上げるばかりである。……またある作者は、客観的な条件や種々の背景の順序を考慮せず、恣意的な批評を加えている。(第一編 黄埔建軍、北伐、清党「なぜ今、蒋介石日記をとりあげるのか」より)

構成
日本語版自序(黄仁宇)/凡例
第一編 黄埔建軍、北伐、清党
なぜ今、蒋介石日記をとりあげるのか/マクロヒストリーによる蒋介石日記の検討方法/蒋介石日記の内容・体裁及び中国近代史との関わり/現在提供されている資料とその限界/日記の読者が持つべき基本認識/蒋介石の家系、結婚と青年期の行動/黄埔軍校の設立、商団事件と東征/1924年の広州/中山艦事件/指導者への台頭/当時の心理状態/容共政策と国民党内の矛盾/清党の開始/軍隊の統帥方法/近代的軍隊と伝統との関係/人心操作術と国家経営の手腕/中国近代史上、1927年の持つ意味/陳独秀・ボロディン・鄧演達との衝突と分岐/マクロヒストリーによる清党の解釈
第二編 安内と攘外
下野と訪日/最高指導者への復帰/中原大戦の遠因/中原大戦の社会的背景/津浦・隴海及び平漢線上の激戦/中原大戦後の財政と、中央と地方との力関係/胡漢民との衝突/掃共戦と反掃共戦/毛沢東と紅軍/満洲事変と忍辱負重/全面抗日への躊躇/熱河事件から長城戦役へ/塘沽協定の締結交渉と黄郛/苦難の対日交渉/梅津・何応欽協定と土肥原・秦徳純協定/たび重なる内憂外患と精神修養/精神訓練と国民道徳/人生哲学と宗教思想/精神訓練の効果/唯一の指導者として
第三編 鯨呑を畏れず蚕食を怕れる
盧溝橋事件―蒋介石の「四つの最低限の立場」/廬山談話/淞滬戦役と東部戦線の敗北/南京の陥落/戦争初期の犠牲とその意義/軍令と動員/トラウトマン調停/蒋介石の対応/武漢時期における整備/戦争継続の努力/台児荘の勝利/戦争指揮の実態/共産党との確執/二つの民衆運動/黄河の堤防決壊と長沙の大火災/汪精衛の投降/校長としての蒋介石/膠着する戦線/戦闘の実情/戦争を支える物的資源/軍人の「汚職」の実態/戦争を支える人的資源/上層構造の構築と基層構造/蒋介石に見る「沈着と激情」「残忍と思いやり」/国際情勢の変化と新四軍事件/蒋介石の外交努力/日米交渉と蒋介石/真珠湾攻撃の前夜
第四編 「四強の中の一国」及びその負担
大転機/スティルウェル着任/第一次ビルマ戦役/確執/内憂外患/鄂西の戦役/トライデント/宮廷の内幕/カイロ会議/常徳の戦役/ディクシー代表団/東西両戦場/一号作戦/北ビルマ反攻・インパール作戦/内外の圧迫/湘桂の戦役/苦悩/衡陽の攻防/決裂・更迭/ウェデマイヤー着任/終結
第五編 長い革命の後に
『蒋介石初伝』としての本書/中国の変革がたどるべき道筋/変革されるべき伝統的社会の実情/伝統的社会体制の変革と蒋介石/新たな蒋介石評価を目指して
訳者あとがき/解説(竹内実)

■編著者紹介
黄 仁宇(こう じんう):1918年中国湖南省生まれ。元ニューヨーク州立大学教授。歴史博士。Taxation and Governmental Finance in Sixteenth-Century Ming-China(明代十六世紀財政税収史)、China: A Macro-history(邦訳『中国マクロヒストリー』東方書店刊)、1587:A Year of No Significance(邦訳『万暦十五年』東方書店刊)などの著作がある。また、『明代名人伝』、『ケンブリッジ中国史』の編著にも参加。
北村 稔(きたむら みのる):1948年京都府生まれ。京都大学大学院文学研究科現代史専攻博士課程中途退学。現在、立命館大学文学部教授。著書に『アジアの歴史 増補版』(共著、法律文化社、1995年)、訳書に『毛沢東の思想』(スチュアート・シュラム著、蒼蒼社、1989年)など。永井 英美(ながい ひでみ):1958年、愛媛県生まれ。神戸大学大学院文学研究科修士課程修了。論文に「魯迅『宮芝居』論」(『野草』第56号)、「魯迅『孤独者』論(『野草』第57号)など。
細井 和彦(ほそい かずひこ):1964年、群馬県生まれ。立命館大学大学院文学研究科博士課程後期課程修了。現在、鈴鹿国際大学講師。論文に「武漢時期までの鄧演達―総政治部との関係を中心にしつつ」(上)・(下)(『立命館文学』第535号・第539号)、「鄧演達の二度目の出国渡欧」(『立命館東洋史學』第20号)など。
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