日中戦争期の老舎の活動と著述 『駱駝祥子』『茶館』などの名作を数多く残した作家・老舎(1899~1966)。彼は抗日戦争中、中華全国文芸界抗敵協会を組織し抗日活動に奔走、この時期に多くの文章・小説を執筆、大作『四世同堂』を完成させた。本書はこれまであまり顧みられなかった、日中戦争期から内戦期(1937~49年)における老舎の行動と作品解題を収める。●編著者のことば 戦争終結五〇周年を迎えるにあたり、私は正当に評価されていない老舎の真面目を浮き彫りにし、彼の日中戦争中の中国側への功績がいかに大であったかを明らかにし、同時にそれによって彼の死の原因を少しでも明らかにできればと、本書の刊行に思い至った。戦争中の一年一年、その年の作品を全部取り上げ、その文献を紹介することにより、老舎のこの時期における思想と行動を詳しく記述してみる。老舎の行跡と著作の両面にスポットをあて、多少煩雑にはなるが、前述の疑問が少しでも解明できればと願っている。(「はじめに」より)
●構成 序/はじめに/凡例 第一章 一九三七年/第二章 一九三八年/第三章 一九三九年/第四章 一九四〇年/第五章 一九四一年/第六章 一九四二年/第七章 一九四三年/第八章 一九四四年/第九章 一九四五年/第十章 一九四六~一九四九年 おわりに/老舎略伝
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