四川・雲南・ビルマ紀行―作家・艾蕪と20年代アジア
尾坂 徳司 著
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出版社:東方書店 |
出版年:1993年05月 |
コード:00364 388p ISBN/ISSN 4-497-93392-X |
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近代を求めてアジアを放浪する若き作家! 五四運動の興奮冷めやらぬ激動の20年代、ひとりの青年が四川から放浪の旅に発った。中国奥地の密林、そこは異質の文化を持った少数民族と、漢族社会から外れたアウトサイダーたちの世界であった。青年はそこで、恋をし、悩み、憤り、哀しみ、「生きる」ということの意味を知る。この旅が、青年をひとりの作家として成長させた。現代中国を代表する作家、艾蕪(1904~92年)の評伝決定版。●編著者のことば 艾蕪を読み進んでゆくうちに、近代に衰弱したわれわれに快感をあたえる艾蕪の諸人物―彼ら未開の人は、社会の裏街道に棲息している―にとって、「生きる」とはいったいどういう事態なのか、彼らを社会の内奥に飲み込んで表面に浮上させない現社会の組織・構造・秩序とはいったいどういうものなのか、と、艾蕪が執拗に問いかけていることに気づく。だからこの問いかけこそが艾蕪文学の出発点であり、結果的には、艾蕪が「漂泊」中に得た中国社会に関する疑問なのである。艾蕪の「漂泊」は艾蕪が作家になるために必要だった体験であり、履歴なのである。この本は、『艾蕪・作家になるまで』と改題してもいい。(「あとがき」より)
●構成 家郷の四川で/旅立ち/作品(一)/昆明で(一)/昆明で(二)/昆明で(三)/昆明で(四)/昆明脱出へむけて/昆明を離れる/森林のなかで/作品(二)/亜熱帯へ/ビルマへ/作品(三)/作品(四)/ラングーン(一)/ラングーン(二)/ラングーン(三)/祖国へ―強制送還 あとがき/艾蕪略年譜(一九〇四~一九三一年)
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■編著者紹介
尾坂 徳司(おざか とくじ):元法政大学名誉教授。1997年没。主要著書:『中国新文学運動史』『続・中国新文学運動史』(法政大学出版局)、『丁玲入門』(青木書店)、『蕭紅伝』(燎原書店)。
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