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歴史としての鄧小平時代
天児慧 著
出版社:東方書店
出版年:1992年09月
コード:00334   240p   ISBN/ISSN 4-497-92361-4
 
価格 2,029円
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地方―農村社会―民衆の視角から見る近代化路線
“毛沢東以後”、鄧小平は豊かで強大な中国を目指す近代化建設を目標とし、その実現のため改革開放を基本路線とし、それを保証する条件として一貫して政治的安定を最優先した。本書はこの時代の特徴を明らかにしようとするものである。従来、「(政策・権力的に)激動する中国」、「(社会構造的に)停滞する中国」はバラバラに論議される傾向があったとし、両者併存するのが中国政治社会の特徴であるとする。歴史的に〈統一王朝―群雄・軍閥割拠・農民反乱〉の三層構造をもって推移してきた中国社会は、革命後も政治体制論としては集権主義的一元体制であるにもかかわらず、実体的にはそれぞれ自律性をもつ〈中央―地方―基層〉三者の相互作用によって推移=変動を繰り返してきた。が、停滞性の強い社会、即ち社会構造的変動の起こりにくい中国社会も、改革開放路線によって国家と社会の乖離現象に見られるごとく社会構造が多様化・流動化し、社会を全面的にコントロールしてきた国家体制は社会と摩擦を引き起こし、否応なく新たな対応、自己変革を問われているという。

編著者のことば
無論幾度も指摘したように、「変わりにくい」重要な部分が、依然として根強く残っていることにも目配りしておかなければならない。しかしそれでも中央とグラスルーツ・レベルでのこうした変化は、本論で述べたような中国の構造的変動を一段と推し進めている事実として目に入ってくる。天安門事件での長老・強行ラインの「民主化・体制批判」に対する封じ込めも、結局はこうした改革・開放の潮流を防ぎ止め得なかった。そして今日ますます加速されている。(「あとがき」より)

構成
はじめに 毛沢東の死と鄧小平時代の始まり
第一章 政治社会変動の基本構図
第一節 重層的変動から多元構造的変動へ/第二節 近代化十余年の政治局面/第三節 社会主義独裁から近代化独裁へ
第二章 改革・開放路線と地域的多元性
第一節 歴史的視覚から見た地方と地域/第二節 改革・開放の推進と地方の活性化/第三節 地域主義の矛盾現象としての「諸侯経済」
第三章 農村における近代化と権力動態
第一節 一九八〇年代の農村の概観/第二節 農村の権力めぐる政治動態/第三節 改革の中の基層幹部と大衆/第四節 変動する農村社会と近代化
第四章 政治変動と民衆世界
第一節 現代史の中の民衆と民衆観/第二節 民衆の類型化/第三節 状況的政治社会と民衆/第四節 脱毛沢東化の政治過程と民衆
第五章 民主化運動と知識人
第一節 毛沢東時代の民主化運動/第二節 改革・開放の推進と民主化/第三節 八九年春の民主化要求運動/第四節 民主化運動から見た政治的特質
第六章 天安門事件への道
第一節 背景としての改革・開放の矛盾/第二節 天安門事件の展開/第三節 天安門事件の質とその後
第七章 ソ連社会主義崩壊後の中国
第一節 ソ連クーデター失敗と中国/第二節 天安門後遺症からの脱却/第三節 深まる社会の不安定構造/第四節 現段階の全般的な特徴と若干の展望
おわりに ポスト鄧小平時代に挑戦する鄧小平

■編著者紹介
天児 慧(あまこ さとし):1947年岡山県生まれ。1971年早稲田大学卒業、74年東京都立大学修士課程、81年一橋大学博士課程修了。琉球大学助教授、共立女子大学助教授を経て、現在、青山学院大学国際政治経済学部教授。
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