中国建国以来最大の冤罪事件! 1955年、毛沢東の指導によるといわれる「胡風批判」運動は、胡風本人をはじめ2,000名余の摘発者を出し、さらに全国規模で展開された。おのれの信念を貫いたがゆえに「反革命」の烙印をおされ投獄された夫・胡風と、社会の激しい批判闘争にたえる妻・梅志。文化大革命直前の中国で過酷な運命にさいなまれる作家をささえた、真実の愛の記録。●編著者のことば 私の本が貴国で出版され、多くの読者に読んでいただけるということを、私は心から光栄に思います。この出版は容易なことではありません。これには貴国の文学者の方々の今は亡き胡風に対する崇高な友情が込められております。そしてこれは私の仕事に対する大きな励ましでもあります。(「読者のみなさんへ」より)
●構成 序(村松暎)/読者のみなさんへ―日本語版への序(梅志)/胡風と「胡風事件」(関根謙) はじめに/序章―逮捕されるまでの経緯/一 一通の手紙から/二 再会/三 肉親の訪問と囚人との面会/四 三回目の面会/五 暖流と寒流/六 予測できないこれから/七 未完の使命/八 判決直後/九 出獄者を迎えて/十 一家団欒/十一 祖国の心臓、北京の見学/十二 さらば北京、さらば家族 [付]梅志への書籍目録/訳注/ 胡風関係略年表/訳者あとがき
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