シルクロードをゆく―付・「水滸」の旅
上製
駒田信二 著
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出版社:東方書店 |
出版年:1990年07月 |
コード:00272 272p ISBN/ISSN 4-497-90298-6 |
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歴史をつなぐ紀行エッセー 中国文学者、文芸評論家の駒田信二氏が、夫人を同伴して、“老朋友”(古い友人)とともにシルクロードの歴史・人物・遺跡を巡り歩いた折の、臨場感あふれる道中記である。蘭州では美味しいラーメンを求めて列をつくり、敦煌ではラクダの背に揺られ、ウルムチではパオに入りカザフ族と交流、、トルファンでは「砂雨」の中の「銀陽」に驚嘆……。故事や漢詩をおりまぜながら語られる博覧強記、当意即妙の筆致で魅力いっぱいのエッセーとなっている。●編著者のことば 私は一九四七年夏、中国から帰国してからは、三十余年間、中国へ渡ったことがなかった。出嫌いでもあり、恥かしかったからでもあったが、また、解放後の(あるいは抗日戦争中からの、といった方が正しいであろうが)いわゆる「人民文学」というものにも、その後の「文化大革命」なるものにも、否定的な評価をしつづけていたからでもあった。……三十数年ぶりに重たい腰を上げたのは、本書に付載されている「水滸伝の旅」のときであって、そのいきさつは「水滸伝の旅」のはじめの部分に書いたとおり、……私に対する執筆上の注文は、一般の見聞録ふうの旅行記や旅行案内ふうのものではなくて、臨場感のあるもので、しかも旅行者の参考にもなるようなものを、ということであった。(「あとがき」より)
●構成 [シルクロードの旅] 旅は黄土高原から始まった―皋蘭山と白塔山(甘粛省蘭州市) 新しい感覚がいきづく街―浜河路の小公園と蘭山公園(甘粛省蘭州市) 青い水、そそり立つ岩―劉家峡と炳霊寺石窟(甘粛省臨夏回族自治州永靖県) そこは巨大な蜂の巣だった―麦積山石窟(甘粛省天水市) 仙人の住むところ―石門山、甘泉基督教会(甘粛省天水市) 一行は多くを学習した―敦煌博物館(甘粛省敦煌市) 駱駝の背にゆられて―鳴沙山、莫高窟(甘粛省敦煌市) 三面の砂漠から大オアシス地帯まで―陽関、渥窪池、白馬塔(甘粛省敦煌市) 現存する長城の最西端―嘉峪関関城(甘粛省嘉峪関市) 異文化が行きかう―紅山と自由市場(新疆ウイグル自治区ウルムチ市) 三蔵法師の講義がきこえる―交河故城(新疆ウイグル自治区トルファン市) 燃える山は天竺への通り道―火焔山と銀陽(新疆ウイグル自治区トルファン市) 洞窟の中の悲しい仏像たち―ベゼクリク千仏洞、高昌故城、アスターナ古墳(新疆ウイグル自治区トルファン市) 天上世界の池―天池(新疆ウイグル自治区昌吉回族自治州阜康県) 生きているかのように横たわっていた―博物館の「睡美人」たち(新疆ウイグル自治区ウルムチ市) もてなされた牛乳茶―白楊溝のカザフ族(新疆ウイグル自治区ウルムチ市) この世でおそるべきものは―金環蝕(新疆ウイグル自治区ウルムチ市) 旅のおわりは別離のユーウツ―ウルムチから上海、そして東京) [「水滸伝」の旅] 頭に描いた地図をたどって―孔子廟(山東省曲阜市) 梁山泊は架空ではなかった―山寨と水寨(山東省梁山県) 絶頂は凌げなかったけれど―泰山(山東省泰安市) 家々に泉あり軒々に柳あり―趵突泉と大明湖(山東省済南市) 東京(とうけい)への道―汴州(河南省開封市) 運河がつっくた東京(とうけい)のにぎわい―相国寺、祐国寺塔、劉亭大殿(河南省開封市) あとがき
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■編著者紹介
駒田 信二(こまだ しんじ):1914年大阪生まれ。東京帝国大学中国文学科卒業。小説家、中国文学者。中国文学の訳書に『水滸伝』『棠陰比事』『今古奇観』などがある。島根大学教授、早稲田大学客員教授を務めた。1994年没。
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