1920年代、封建中国 禁断の書！
1919年、中国では北京大学の学生を中心とする五四運動が勃発した。これは日本の中国侵略に抗議する中国民衆の愛国運動であったが、その歴史的背景として、1915年ごろから始まった知識人を中心とする新文化運動の影響を見逃すことはできない。反帝国主義、反封建主義、反軍閥主義を掲げた五四運動は、中国の伝統思想と道徳、つまり儒教の教えに基づく社会体制、大家族制度を破壊せんとした。そして、これは“婦人解放”とも結びついた。1927年、北京大学哲学科の教授であった張競生が、青年男女から性に関する体験記録を募集し、性科学的観点からなる助言を添えて、『性史』を編纂・出版したのも、当時の中国社会の要請に合致していたといえる。しかし、大胆な性表現は旧態依然とした保守的人士から排斥にあい、『性史』は発禁となる。この間の経緯については訳者解題に詳述されている。本書は、張による『性史』より「序｣と4篇、その後、小江平、覚公によってそれぞれ編された第2集、第3集より8篇を選んでいる。●編著者のことば
この本は、猥本ではない。科学的、また芸術的だともいえる書物なのだ。物を見る目をお持ちになっている方なら、注意してご覧になれば、一目瞭然だ。それでは、なぜ科学的な本なのかといえば、書かれていることが、すべて事実だからだ。ありのままに、事実が述べてある。これは創作ではない。人生は小説より奇なりだ。さまざまな人たちの、興味深い体験が、いろいろ出てくる。（「序」より）
●構成
序／私の思い出／十六歳の夏／私の体験／子供の頃に覚えた知識／立ち上がろう、語り合おう／私の主張／幸せな日々／思い出の女たち／過去の過ち／若いつばめ／一生の不覚／お坊さん
解題
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