『兰学与汉学之间:江户幕府翻译事业《厚生新编》研究』 徐克伟
『厚生新編』は、フランスのショメル『家庭百科事典』のオランダ語訳(Huishoudelyk Woordboek、1743)による重訳で、文化8~天保11(1811~1840)年にわたって蘭学者が携わった幕府の一大翻訳事業であり、西洋の科学用語の導入を中心に、質量ともに後世の評価も高い。ところが、翻訳が完遂されなかったことや、長い間幕府が収蔵して刊行されなかったことなどにより、長らく一般の目に触れる機会が少なく、現在も杉本つとむ『江戸時代西洋百科事典 「厚生新編」の研究』(雄山閣、1998年)を除いて包括的な研究は見られない。
本書は、上篇で解題や訳文選択の基準の分析を行い、翻訳過程に漢学の知識が介在する原因を探り、漢学典籍の整理と分類を行う。その後、本草学やその他漢学の素養、仏典漢訳と漢訳洋書などの方面から論を展開する。そして、下篇では当時の規範的な文体について整理した上で、蘭学の翻訳三法について翻訳理論をもとに論じ、漢字の選択に関わる問題を、具体的な用語を例に分析する。また、ラテン語への対応についても取り上げる。最後に、『厚生新編』や蘭学者の翻訳の特徴を明らかにして、蘭学者が漢学などの伝統的知識をどのように翻訳理論に活かしたかを論じる。そして、漢学の資源が『厚生新編』の翻訳事業や蘭学史において果たした役割とその限界をまとめ、漢学を代表とする中国文化の、日本と西洋との交流や日本の近代的知識の形成における歴史的な意義を明らかにする。
2017年に関西大学に提出した博士学位論文をもとに加筆修正したもの。本文中国語(簡体字)。
●目次 序章 《厚生新编》:江户幕府的翻译事业 0.0 引言 0.1 《厚生新编》略考 0.2 先行研究 0.3 问题与方向 0.4 章节构成
上编 新知旧识的碰撞与融合 第1章 以“厚生”为目标的翻译 1.0 小引 1.1 解题 1.2 选择标准 1.3 作为参考系的汉学知识 1.4 小结 第2章 以本草书为中心的参考与批判 2.0 小引 2.1 关联路径与参考范围 2.2 对《本草纲目》的四种参考方式 2.3 其他本草书的参考问题 2.4 小结 第3章 本草学延长线上的其传统科技文献与一般汉籍 3.0 小引 3.1 传统科技文献 3.2 一般汉籍 3.3 小结 第4章 作为翻译参考系的汉译佛经与汉译西书 4.0 小引 4.1 汉译佛经 4.2 汉译西书 4.3 小结 结论:西学东嫁
下编 新概念的输入与译制 第5章 翻译文体与译词问题 5.0 小引 5.1 先行研究 5.2 文体分布及其关联 5.3 《厚生新编》文体试论 5.4 小结 第6章 译词三法“直译”“意译”“音译”源流 6.0 小引 6.1 译词创制三法的提出及其问题 6.2 玄白“否认说”的澄清及其关联路径 6.3 汉译佛经所载译词诸法 6.4 译词法的关联 6.5 小结 第7章 音译词的汉字选择 7.0 小引 7.1 《厚生新编》音译词调查 7.2 兰学家的音译探索 7.3 所谓“杭州音”“唐音” 7.4 小结 第8章 七曜日从传统到近代的轨迹 8.0 小引 8.1 先行研究 8.2 基督教元素及其排除 8.3 天文学方面 8.4 译名考察 8.5 普及 8.6 小结 第9章 “解剖学”概念的确立及其中日交流 9.0 小引 9.1 先行研究 9.2 中国方面:以人体为对象的理论思辨 9.3 日本方面:以实践为基础的知识突破 9.4 晚清以降的中日间的交流互动 9.5 解剖学在中日两国的确立 9.6 小结 第10章 译词创制与拉丁语学习 10.0 小引 10.1 《厚生新编》中的拉丁语 10.2 兰学家的拉丁语认知 10.3 长崎方面的拉丁语学习及其影响 10.4 兰学家的拉丁语造诣 10.5 小结 结论:新旧之间
终章 继承于批判:兰学视野下的汉学 11.0 引言 11.1 现身的译者 11.2 翻译史论的构建 11.3 继承与突破 11.4 结语
参考文献 后记
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