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私がクリスチャンになるまで 清末中国の女性とその暮らし
アデル・M・フィールド著/蒲豊彦 訳
出版社:東方書店
出版年:2021年09月
コード:22111   256p   ISBN/ISSN 9784497221117
 
価格 2,970円
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清朝最末期の1873年から1889年にかけて、広東省東部の潮州・汕頭地区で活動したアメリカ人女性宣教師フィールドが、中国の女性から聞き取った暮らしのようす。農作業や機織り、婚約・結婚の具体的な段取り、間引きや子どもを売る習慣、纏足の痛み、占いや祈禱、そして「ほんとうの神」との出会い……。フィールドの穏やかな筆致には、中国の女性にたいする深い共感がにじみ出ている。

訳者の言葉
 原著の Pagoda Shadows は中国の女性や女性クリスチャンの生活史と(本訳書第一部)、中国の社会や習慣について説明した部分に分かれるが(第二部)、全体として女性および女性をめぐる社会事情を主題としている。本訳書では以上に加えて、フィールドがどのように布教活動を行ったのかが分かるような文章を集め、第三部とした。(略)
 フィールドが中国で過ごした一九世紀後半は、古い中国がまさに近代へ向けて胎動を始める時期にあたっていた。一八四〇年のアヘン戦争を契機として西洋諸国が中国へ進出しはじめ、キリスト教の宣教師も活動を本格化させる。さらに一八九四、九五年の日清戦争によって、それまで東アジアの小国にすぎなかった日本に打ち負かされ、一九一一年にはついに辛亥革命が伝統的な王朝体制に終止符を打つ。
 このように、まさに大きな変化が起こりつつある中で、最底辺の農村部にそれでも色濃く残る伝統社会の様相を、フィールドは主に女性の眼を通して捉えた。そして、厳しい境遇に耐えてきた女性たちの一部はキリスト教を知り、女性伝道師となり、そこに一筋の生きる望みを見出す。ここに、「近代」との接点のひとつが現れる。自分自身そこに深く関わったフィールドは、中国の女性にたいする深い共感とともに、世紀転換期前夜の庶民の暮らしを詳細に書き留めたのであった。(「訳者まえがき」より)

目次:
訳者まえがき――アデル・M・フィールドとバイブル・ウーマン

はしがき(アデル・M・フィールド)
序文(ジョセフ・クック)

第一部 女性が語る女性の物語
小さなそよ風の物語
瑞おばさんの自伝
竹で出来た龍(快の物語)
得金(得金の物語)
林水
悲しみの一〇分の七を失う蘭
惜の決意
一晩の仕事
海賊の島に育つ草

深みの外へ
朝霧
夕暮れの光
家の中の霊が、どのようにして家から追い出されたのか――容の語る物語
南隴教会を支える人たち(蓮の物語)(真宝の物語)

第二部 社会と習慣
女性の地位
子どもの生活――四男の物語
嬰児殺し
纏足
結婚式
姿を見せない花婿
住居
異教徒の風習の不便さ
心霊術
かまどの神
ある祝宴の起源
木彫りの裁判官
石の女神とその隊列
尼僧

私たちの薬屋
旅のあれこれ
中国人女性伝道師
言語、文学、民話

第三部 布教と女性信者
中国での布教メモ
孤児院
綉金の自伝
韓江をさかのぼる
地方での仕事
初めて神のことを聞く
汕頭での女性祈禱集会
民話「アリの起源」

図版一覧/訳者あとがき
■編著者紹介
蒲豊彦(かば とよひこ)
1957年生まれ。1986年、京都大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。現在、京都橘大学教授。
おもな著書、訳書、論文に『闘う村落――近代中国華南の民衆と国家』(名古屋大学出版会、2020年)、ティモシー・リチャード『中国伝道四五年』(共訳、平凡社、2020年)、『戦場を発見した作家たち――石川達三から林芙美子へ』(新典社、2020年)、『三竃島事件――日中戦争下の虐殺と沖縄移民』(共著、現代書館、2018年)、「宣教師が見た一九世紀の潮州人」(志賀市子編『潮州人――華人移民のエスニシティと文化をめぐる歴史人類学』風響社、2018年)、「義和団事件前夜のキリスト教会」(『東洋史研究』第75巻第2号、2016年9月)、「長江流域教案と“子ども殺し”」(森時彦編『長江流域社会の歴史景観』京都大学人文科学研究所、2013年)などがある。
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