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中華世界を読む
奈倉京子 編著
出版社:東方書店
出版年:2020年04月
コード:00890   224p   ISBN/ISSN 9784497220103
 
価格 2,640円
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「一帯一路」構想に顕著なように、国家としての中国を中心に、政治的・経済的に統合しようとする側面がある一方で、台湾が東南アジアとの結びつきを強めることで台湾独自の「中華」を志向するなど、分裂が際立つ側面もある。雲南省の回族の歴史を振り返ると、中国内部で中国との距離の取り方を模索する様子がみえ、香港・台湾・マレーシアなどへと拡大していく「華語語系文学」の議論からは、中華世界の統合に近づいたり分裂に傾いたりする様子がわかる。華僑華人のネットワークも、一方では中国の故郷と深く結びつく統合の側面があり、一方では居住地をハブとして故郷からさらに遠くへと拡散してゆく側面もある。「中華世界」とはなにか。本書はその輪郭を描くものである。

著者の言葉
「中華世界」は、立場によって、いぜんとして序列的な「文化中国」的世界に見えることもあれば、国民国家・中国を離れたところで展開される世界が現れることもある。読者の皆さんが、グローバル化の民族、都市、地域に与える影響を学びながら、多様な「中華世界」を想像できれば幸いである。(「はしがき」より)

目次:
序 「中華世界」―その輪郭をどう描くか―(奈倉京子)
「一帯一路」と中華世界―東南アジアを中心に―(崔晨)
台湾と東南アジア―「南向」をめぐる現状と展望―(玉置充子)
中華世界と中国ムスリム―雲南回族の時間・事象・社会的次元の「意味」に着目して―(首藤明和)
華語語系文学の輪郭と展望(及川茜)
華僑華人のネットワーク―社会ネットワークから地域ネットワークへ―(濱下武志)

補論1 中華世界とマレー世界(富沢寿勇)
補論2 中華世界と日本(濱下武志)
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