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蕭紅評伝 空青く水清きところで眠りたい 上製
林敏潔/藤井省三,林敏潔 訳
出版社:東方書店
出版年:2019年06月
コード:00869   320p   ISBN/ISSN 9784497219114
 
価格 4,950円
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本書は、蕭紅の人生と全作品に対し全面的な再検討を行い、先人の研究とは異なる観点と結論を提起する。例えば、それまでの研究では、あまり重視されていなかった絶筆作『小城三月』についての考察では、蕭紅が当時における女性の苦悩をさらに深化させ、表現した作品として高い評価を与えている点などが指摘できる。著者は、蕭紅は生涯をかけて伝統文化の束縛を破り、自由な女性の理想的空間を勝ち取ろうとした、ととらえており、今日新たに蕭紅を理解することは、人々が女性解放の過程や方法に対し、合理的客観的な認識と選択を行うことを意味する、としている。読者(特に日本の読者)は、本書を通して、蕭紅という近代中国の困難な時代に生きた女性作家をより深く理解することが出来るだろう。

著者の言葉
「彼女がその時代の左翼作家と異なる点は、戦争を正面から直接描くことは稀で、長期にわたり「女性とは何か」という彼女に困惑と苦難をもたらした問題を注視していたことである。彼女は鮮やかにして「常軌を逸した筆致」で、たゆまず女性の世界を描き続けた。彼女の文学作品は真の女性文学なのである。」(「結び」より)

目次:
日本語版序
序詩 世紀の孤独 蕭紅生誕一〇〇周年に捧ぐ
第一章 蕭紅研究の概況と課題
 第一節 蕭紅研究の概況
 第二節 研究課題

第二章 蕭紅の生涯―苦しい人生の旅
 第一節 童年―苦しみと楽しさとが併存した歳月
 第二節 手を携えて―支え合う跋渉者
 第三節 破綻―頼もしき人が嵐に変じて
 第四節 逝去―『紅楼夢』後半の執筆を別人に残して……

第三章 蕭紅の文学作品における女性観
 第一節 女性と貧困―苦闘と死
 一〜三
 第二節 女性と家―楽園と失楽園
 一〜三
 第三節 女性と愛―追求と挫折
 一〜三
 第四節 女性意識―覚醒と絶望

第四章 蕭紅と同時代作家
 第一節 蕭紅と魯迅
 一〜五
 第二節 蕭紅と丁玲
 一〜五
 第三節 蕭紅と関露
 一〜五
結び

原注
あとがき
訳者解説―蕭紅への篤い共感に溢れる評伝、作品論
人物索引
■編著者紹介
著者
林敏潔(リン ミンジエ)
1987年日本留学、1993年東京学芸大学卒業、1995年同大学院修士課程修了、2000年慶應義塾大学大学院博士課程修了。1995~2011年慶應義塾・早稲田・國學院・明海など各大学で教鞭を執り、2009年より東京学芸大学特任教授就任。2011 年中国江蘇省特別招聘教授に就任、南京師範大学東方研究センター長となって現在に至る。専攻は現代中日比較文学研究など。応用言語学・文学博士。主な著書に『日・中大学生の価値観比較Ⅰ――大学観・学習観・人生観』『日・中大学生の価値観比較Ⅱ――国際観・結婚観・仕事観』(万葉舎)、『莫言の思想と文学』『莫言の文学とその精神』(共訳、ともに東方書店)など。

訳者
藤井省三(ふじい しょうぞう)
1952年生まれ。1982年東京大学大学院人文系研究科博士課程修了、1991年文学博士。1985年桜美林大学文学部助教授、1988年東京大学文学部助教授、1994年同教授、2018年東京大学名誉教授、現在は名古屋外国語大学教授および南京大学海外人文資深教授、2005~14年日本学術会議会員に就任。専攻は現代中国語圏の文学と映画。主な著書に『魯迅と紹興酒』(東方書店)、『中国語圏文学史』『魯迅と日本文学――漱石・鷗外から清張・春樹まで』(以上、東京大学出版会)、『村上春樹のなかの中国』(朝日新聞出版)、『中国映画 百年を描く、百年を読む』(岩波書店)など。
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