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詳細情報
上海モダニズム 上製
鈴木将久
出版社:中国文庫/東方書店発売
出版年:2012年04月
コード:00735   300p   ISBN/ISSN 9784497212139
 
価格 4,400円
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近代中国において、「西洋」は侵略者であり、同時に変革のために学ばなければならない存在であった。本書は、そのような状況をふまえ、上海におけるモダニズムの視点から「中国モダニズム文学」史を読み直している。

編著者のことば
中国モダニズムとは、中国社会全体が近代を迎え、西洋文化を自分のものにすべく努力したとき、社会と歴史の大きな激動を、西洋モダニズムの新奇な方法を用いて表現しようとしたテクスト群であったというべきである。中国モダニズムにとって実験とは、新たな表現技法を編み出すことではなく、ヨーロッパモダニズムが編み出した方法によって中国社会の変動を表現することであった。中国のモダニズムを考察するとは、近代中国がこうむった歴史の大変動を踏まえた上で、 社会や歴史と文学テクストの連動関係を、一つひとつ確認していく作業にならざるをえない。(「はじめに」より)

構成
目 次
はじめに 
序章 問題としての上海モダニズム                        
一 上海のモダニズム/二 中国新感覚派と左翼文芸思想/三 戦争という試練/四「漢奸」の問題 
第一部 上海モダニズムの興起                        
第一章 都市上海を語ること――茅盾『子夜』テクストの布置               
一 上海を描く小説/二 コミュニケーションの危機/三 視線の機能/四 電話を通じたコミュニケーションの空間/五 構築としての「読み」/六 都市を表現すること
第二章 可能性としての言語――瞿秋白の言語理論                   
一 瞿秋白の位置/二 理想的な「話」の構想/三 茅盾の現状認識/四 「文」の機能転換/五 コミュニケーションのユートピア
第三章 流通するイメージ――穆時英の小説的実験  
一 『現代』の創刊/二 身体の変容/三 映像的意味生産の実験/四 記憶のポリティクス/五 穆時英の波紋
第二部 上海モダニズムの試練     
第四章 詩は抗戦を表現できるか――戴望舒の模索  
一 戴望舒をどう見るか/二 「詩情」の「組織」/三 戦争と詩/四 香港からの声/五 翻訳という試金石 
第五章 戦時下において詩はどこにあるか――路易士の詩的活動 
一 日本占領下上海の詩人/二 日常性の抒情/三 純粋な詩/四 周囲との闘争/五 仲間との語らい/六 路易士の位置
第六章 文のかなたに何が見えるか――穆時英の選択 
一 上海モダニズムの政治性/二 現実との関わり/三 血の記憶/四 「漢奸」という選択/五 穆時英の問いかけ
第七章 「対日文化協力者」の声――陶晶孫の屈折 
一 陶晶孫と「漢奸」の問題/二  陶晶孫における三〇年代上海/三 日中戦争中の活動/四 陶晶孫のテクスト戦略/五 『日本への遺書』
終章 中国モダニズムの行方  
一 日中戦争とモダニズム/ 二 毛沢東の回答/三 上海モダニストのその後
あとがき
索引
初出一覧

■編著者紹介
鈴木将久(すずき まさひさ)1967年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。現在、明治大学政治経済学部教授。専攻は中国近代文学。共著に、『上海-重層するネットワーク』(汲古書院)、『モダニズムの越境』Ⅱ「権力/記憶」(人文書院)、『戦時上海』(研文出版)、『アジア学への誘い-国際地域の社会科学Ⅲ』(御茶の水書房)、共編に『竹内好セレクション』Ⅰ・Ⅱ(日本経済評論社)、共訳に『竹内好という問い』(孫歌著、岩波書店)、『最後の審判を生き延びて 劉暁波文集』(劉暁波著、岩波書店)などがある。
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