20世紀初頭、留学生により東京で組織された春柳社の上演活動が中国の話劇・新劇(文明戯)の始まりとされる。日中の研究者により、中国の「文明戯」がどのように始まり、展開したかをさまざまな面から論述する。 ●構成 序文 竹本幹夫 瀬戸宏 日本側開会あいさつ 田本相 中国側開会あいさつ(中日演劇交流史における春柳社の地位と意義)(大江千晶訳) 田本相 新劇の誕生(大江千晶訳) 飯塚容 もう一つの『姉妹花』――『ドラ・ソーン(谷間の姫百合)』の変容 袁国興 「文明戯」の形態と話劇の発生――「文明戯体系」説への疑問(松浦恒雄訳) 宋宝珍 文明戯の劇場の状況と上演形態(藤野真子訳) 神山彰 日本の新派、新劇と春柳社 瀬戸宏 文明戯の時期区分に関する試論 張軍 梁啓超演劇の話劇化傾向と日本の関係(平林宣和訳) 劉平 春柳社演劇と学園演劇の発展(田村容子訳) 黄愛華 一モデルとしての春柳悲劇及びその意義(鈴木直子訳) 松浦恒雄 新しい「民族形式」の創造と文明戯 顧文勲 「春柳社友」林天民の新劇活動と脚本創作-「未刊話劇史料拾零」の一(鈴木直子訳) 飯塚容 閉会あいさつ
鈴木直子 『家庭恩怨記』に関する一考察-故事の挿入に見る脚本の変遷- 魏婕 春柳社の本郷座公演から見た中国近代劇のスタンス―『黒(こく)奴(ど)籲(ゆ)天(てん)録(ろく)』を再論して- 陳凌虹 『脚本 不如帰』と『家庭恩怨記』―そのメロドラマ的性格をめぐって 平林宣和 春柳社百年記念国際シンポジウム実施および同論文集刊行について
瀬戸宏 あとがき文明戯関連略年表 関係地図 執筆者一覧
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