現行のテキストとの異同が多いことが知られている馬王堆出土の『老子』(甲本・乙本)に訓読・注釈・現代語訳を付す。後世中国思想の中心的な地位を占めるに至る「黄老の学」の淵源を探求するために必須の資料。 ●編著者のことば おびただしい数量の新出土資料の中で、馬王堆漢墓帛書は一九七三年という最も早い段階に登場したものであり、そして、以後のこの学問の活況を惹起する原因を作ったものである。しかも、この資料は、巻末の解説(その一)に述べるように、中国古代文化の多方面にわたる内容を擁し、圧倒的な数量の、極めて貴重な性質を誇る文献でもある。我々編集委員は、このような事情に鑑みて今日馬王堆帛書を取り上げてその訳注叢書を出版し、読みやすい形で日本の読者に提供しようとするものである。……切に願わくは、……馬王堆漢墓白帛書を始めとする新出土資料の研究がますます盛んにならんことを。(「中国古代研究の進展と出土文献」より)
●構成 中国古代研究の進展と出土文献―序に代えて 『老子』甲本 徳経 道経 『老子』乙本 徳経 道経 附録・『老子』王弼本原文 道経 徳経 解説(その一)―馬王堆漢墓帛書について 解説(その二)―馬王堆漢墓出土『老子』の甲本・乙本について 参考文献 索引
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