先秦から辛亥革命期に至る漢詩の歴史を、代表的な作品を味わいながら概説する。本邦初公開の隠れた名作をはじめ、新知見を随所にちりばめながら、詩人たちの個性、作品の魅力を壮大な詩史の流れの中に位置づける。 ●構成 第一章 中国の古代歌謡――北の『詩経』と南の『楚辞』と 『詩経』――最古の歌謡集にして、詩精神の源泉/『楚辞』――巫覡への挽歌 第二章 前漢――楚声の歌と新詩型の発生 楚声の歌/武帝の文化政策と〈賦〉の成立/楽府の設置と新詩型の発生/古楽府とその特色 第三章 後漢――五言詩の定着 「古詩十九首」――地方へ逃亡した知識人たちの悲歌/蔡琰と「悲憤詩」 第四章 後漢から魏晋へ――五言詩の個性化 曹操と建安詩人たち/竹林の七賢と正始文学 第五章 晋――貴族制社会の成立と五言詩の多様化 西晋時代/ 東晋から南朝へ/ 陶淵明 第六章 南朝時代 謝霊運と〈山水詩〉/顔延之と鮑照/斉・梁・陳の詩 第七章 唐詩(上)初唐・盛唐 初唐/初唐より盛唐へ/盛唐詩の二系列/孟浩然/王維/李白/杜甫 第八章 唐詩(下)中唐・晩唐 中唐初期/白居易と新楽府運動/韓愈とその門下/李賀/二人の左遷詩人――柳宗元と劉禹錫/晩唐前期の三詩人/晩唐後期の社会派詩人 第九章 宋詩(上)北宋 宋初の詩人たち/宋詩の確立――欧陽蘇梅/歐陽脩/王安石/蘇軾/蘇門の詩人たち――黄庭堅・陳師道・秦観 第十章 宋詩(下)南宋 北宋から南宋へ/南宋前半期の大詩人――范成大と楊萬里/陸游/南宋後半期――永嘉の四霊、江湖派、文天祥 第十一章金詩 金代詩史の概要/元好問 第十二章元詩 元代初期――耶律楚材、劉因、方回、趙孟頫/元代中期――元詩四大家/元代末期――薩都喇、王隻]、楊維楨 第十三章明詩 明代初期/明代中期――擬古派の盛行/明代後期――反擬古派の抬頭から亡国まで 第十四章清詩 清代初期――遺民詩人から王士禛まで/清代中期――格調説、性霊説から嘉道の風へ/清代後期――道光以後、辛亥革命と共和政体の成立まで
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