絵入り新聞が描きだす清末庶民の日本観!1884年から1898年にかけて上海で発行されていた絵入り新聞『点石斎画報』より、日本および日本人をテーマにした記事と挿画80点を選び、訳文とともに掲載。中国における日本人の活動、明治維新後の文明開化の様子、日本特有の習俗から、市井の珍談・奇談の類まで、清末期の中国人が明治期の日本および日本人にどのようなイメージを抱き、そのイメージがいかに変遷していったかをテーマ別にわかりやすく窺うことができる。また、外国人の目に映った明治日本を、画像を通じて知ることのできる資料としても貴重である。なお、参考として巻末に原文を掲載する。 ●編著者のことば 前述したように、庶民たちに茶飲み話を提供することを主な目的とした大衆画報『点石斎画報』に掲載された絵入り記事は、必ずしも明治日本の真実を伝えているわけではなく、中には誤解や偏見もあれば、空想や猟奇もある。にもかかわらず、そこに描かれているのが、いずれも当時の中国民間の画家たちの目に映った日本であったことは間違いないと思われる。本書はこうした観点から、発表から100年以上を経た中国民間絵師によるスケッチを通して、晩清時代における中国人の日本観および清末の人々の見た明治日本の横顔をクローズ・アップしてみようという試みである。大方の読者のご叱正を頂ければ幸甚である。(序章より)
●構成
序章 中国絵画の中の日本 第1章 日中の交流 第2章 明治の新風俗 第3章 明治期社会の風景 第4章 日本の風習と異聞 第5章 日本の珍談・奇談(1) 第6章 日本の珍談・奇談(2) 原文 参考文献
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