東アジア政治史研究
/衞藤瀋吉著作集(第2巻)
上製
衞藤瀋吉 著
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出版社:東方書店 |
出版年:2004年07月 |
コード:00618 328p ISBN/ISSN 4-497-20402-2 |
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20年代以降の中国共産党の動向と日中関係を考察!辛亥革命以降、中国は軍閥の抗争、国民党と共産党の角逐、列強の侵略の中で激しく揺れ動き、国共合作、北伐、国共分裂、満洲事変を経て、ついに日中戦争へと突入していった。本書には、1920年代における中国共産党の動向、および20年代以降第二次世界大戦終結までの日中関係を辿った諸論考を収録する。前者には、戦後日本における中国共産党史研究の成果を初めて世界に示した記念碑的論文を含む。後者では、綿密な資料分析に当時最新の社会科学的手法を併用し、日中関係史の展開に客観的かつ鋭利な分析が加えられている。なお本書は、1968年に東京大学出版会より刊行された『東アジア政治史研究』に改訂を施し、再構成したものである。 ●編著者のことば 「もし」田中が強いリーダーシップを発揮して、ここに京奉線遮断案を断行したとしたら、事態は一体どうなったであろうか。このような「もし」という設問は歴史学においてあるいは禁句であるかもしれない。しかし、長期的巨視的には、歴史のある必然を認めるにしても、短期的微視的には、人間の主体的決断と選択の問題を、忘れ去る訳にはいかない。人間の主体的選択の、ある時点における幅を測定し、歴史の多様性と可能性をどう学問の中にくり入れるか、は今後の学問の課題である。筆者は一つの方法として、過去の歴史現象をシミュレートする技術の開発に望を託しているが、いかがなものであろうか。(「京奉線遮断問題の外交過程」より)
●構成 I 東アジア政治史研究 広東コンミューン史稿/海陸豊ソヴェト史/南京事件と日・米/京奉線遮断問題の外交過程―田中外交とその背景/田中義一と大陸進出/対華和平工作史 II 研究案内 中共史研究ノート 初出一覧 著者に聞く(衞藤瀋吉+山影進+平野健一郎)
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■編著者紹介
衞藤 瀋吉(えとう しんきち):1923年、旧満洲奉天生まれ。東京大学法学部卒業。東京大学教授、青山学院大学教授、亜細亜大学学長、東洋英和女学院院長などを歴任。現在、東京大学名誉教授。第一回吉野作造賞受賞。紫綬褒章・勲二等瑞宝章受章。論著多数。
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