日本人と中国
/衞藤瀋吉著作集(第7巻)
上製
衞藤瀋吉 著
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出版社:東方書店 |
出版年:2003年11月 |
コード:00605 274p ISBN/ISSN 4-497-20309-3 |
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日中の狭間に生きた人々の姿を活写!高杉晋作、岸田吟香、宮崎滔天、二葉亭四迷、中江丑吉、鈴江言一……、幕末・明治から日中戦争まで、激しく揺れ動いた日中関係の狭間、歴史の狭間で生きた人々を活写した個性的な歴史人物論。運命の歯車の中で苦しみながらも、誠実に精一杯生きた人々に注ぐ著者の温かなまなざしが、読者の共感を呼ぶであろう。さらに、個々の人物の記述を通じて、「思春期ナショナリズム」「愛憎症候群」というキーワードで代表される日中関係の特質も浮かび上がり、魅力溢れる日中関係論となっている。 ●編著者のことば 専制に反対する自由民権論者は弱の側に立って専制と対決すべきである、……専制を覆すために他国に干渉して何が悪い、……このような括弧つきの「正義」と明治日本人が持っている思春期ナショナリズムとが結合したとき、それはたいへんな国民的エネルギーとなって、朝鮮のみならず中国に対しても爆発した。このエネルギーの赴くところ、当初は隣国に対する解放ないし独立の役割を果たしながら、たちまち日本のナショナリズムの大波に乗じて、あらたなる専制者植民地権力として隣邦の民に臨むのである。およそすべての歴史には光と影がある。日本の近代史もまた光と影に満ち充ちており、その影の部分が、まさに、強者として隣邦に臨んだ傲然たる近代日本の軌跡となったのである。(「アジアにおける近代日本」より)
●構成 Ⅰ 日本人と中国 日本人の中国観/中国革命と日本人/二葉亭と中国 Ⅱ 宮崎滔天 滔天と清国革命はどうして結びついたか/宮崎滔天/宮崎滔天著『支那革命軍談』 Ⅲ 鈴江言一 ある無名の革命家 Ⅳ アジアの中の日本人 中江丑吉書簡集/ある無名の先駆者/王光逖君を悼む/日本人の中のアジア/アジアにおける近代日本 鼎談・衞藤瀋吉+喜志麻孝子+平野健一郎
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■編著者紹介
衞藤 瀋吉(えとう しんきち):1923年、旧満洲奉天生まれ。東京大学法学部卒業。東京大学教授、青山学院大学教授、亜細亜大学学長、東洋英和女学院院長などを歴任。現在、東京大学名誉教授。第一回吉野作造賞受賞。紫綬褒章・勲二等瑞宝章受章。論著多数。
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