修飾語をめぐる諸問題を探る語学論文集 “可”などの語気副詞が連用修飾成分とは異なるものであることを明らかにした「語気副詞“可”と“并”“倒”“却”」を皮切りに、連用修飾成分とは異なるものについて論じた「中国語副詞“并”と日本語の“決して”」「“总”」「“还”と時間副詞」、それでは連用修飾成分とは何であるのかを考察した「“高兴”と“高高兴兴”」「程度副詞“很”と状語の関係について」、連体修飾語と数量詞に関して考える端緒となった「“最”と数量詞の位置について」、その考察をさらに進め、指示的な連体修飾語があることを明らかにする「定語の指示機能」「“一个什么样的人”と“什么样一个人”」「描写性形容詞と数量詞の位置」など、1985年から1997年にかけて発表された語学論文13篇を収録。●編著者のことば 本書の出発点は「語気副詞"可"と"并""倒""却"」にある。この論文を書かなかったら、……所謂連用修飾成分とは異なるものについて書くことはなかったであろうし、所謂連用修飾成分とは異なるものの存在に気付かなかったら、連用修飾成分について考えることもなく、……連用修飾語について考えたことによって自然に関心が連体修飾語に向かった。……連体修飾語については、主に連体修飾語と数量詞の位置の関係について論じたものにはなったが、場所、時間、範囲、領属関係の連体修飾語と同じく指示的な連体修飾語があることを明らかにできたことが、細やかな成果であると思っている。
●構成 語気副詞"可"と"并""倒""却" 中国語副詞"并"と日本語の"決して" "総"―修飾成分とは異なるものとして "還"と時間副詞―日本語との比較から "高興"と"高高興興" 程度副詞"很"と状語の関係について "有"構文と連体修飾 "有・N・VP"構造に於けるNとVPの関係 "最"と数量詞の位置について 定語の指示機能―数量詞の位置から "一个什麼様的人"と"什麼様一个人" 描写性形容詞と数量詞の位置 "V了O動量"と"V了O。"
|