大久保隆郎教授退官紀念論集 漢意とは何か
上製
大久保隆郎教授退官紀念論集刊行会 編(大久保隆郎教授退官紀念論集刊行会 発行/東方書店発売)
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出版社:東方書店 |
出版年:2001年12月 |
コード:00580 880p ISBN/ISSN 4-497-20111-2 |
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中国の思想・文学を扱う論文39篇を収録 福島大学大久保隆郎教授(現・名誉教授)の退官記念論文集。先秦出土資料から、大久保教授の専門である漢代思想、さらに六朝・唐代の詩文、近現代文学、中国と日本・西欧との比較など、多岐の分野にわたって中国の思想・文学を扱った論文39篇を時代順に収録。●編著者のことば 中国学は実学である。現実に立ち向かい、よりよい世界の実現に関わるものである。……中国学を研究の対象とする私たちは、それぞれに己れの理解する中国的像を描き続ける。……古来、先達は中国古典の中に「漢心」「漢意」(からごころ)を探ってきた。「漢意とは何か」の名のもとに今また39名の論客が発信する。(「わが自紀の篇」より)
●構成 序にかえて――漢代研究のこと 町田 三郎
郭店楚簡『唐虞之道』の著作意図――禅譲と血縁相続をめぐって 浅野 裕一 郭店楚簡『語叢』(1・2・3)の文献的性格 福田 哲之 「忠臣」の思想――郭店楚簡『魯穆公問子思』について 湯浅 邦弘 郭店楚簡『成之聞之』『六徳』にみえる人倫説について 渡邉 大 中国思想における「常」と「無常」 堀池 信夫 非攻とは何か――『墨子』非攻3篇の論理と思想 吉永慎二郎 先秦儒家思想における反省自覚の概念について――孔子・孟子を中心として 瀬尾 邦雄 『荀子』の「無法者以類挙」――「礼」を支えた「類」 菅本 大二 董仲舒の禅譲説をめぐって 宇佐美一博 『尚書中候』と鄭玄――周公の太平神話をめぐって 間嶋 潤一 「論」の立場――王充の「作」「述」否定の意味 井ノ口哲也 王充性命論再考 山花 哉夫 浮き草の貴公子 何晏 渡邉 義浩 中国中世における言語観の一側面――郭象と支遁をめぐって 高野 淳一 郭象の「自得」について――「二虫」の解釈をめぐって 田中 隆史 陶淵明の「擬古」〈其九〉の詩の寓意について――特にその『易』および南朝民歌との関連を中心にして 沼口 勝 鮑照山水詩考 向嶋 成美 沈約『宋書』の「帯叙法」と鮑照伝 稀代麻也子 南朝と北朝の従軍詩について 樋口 泰裕 後期廋信の表現姿勢――「謝滕王集序啓」にもとづいて 安藤 信廣 唐代の呪術治療について――『千金翼法』「禁経」を中心として 坂出 祥伸 唐詩中の「臨終」の語をめぐって 後藤 秋正 元結の初期詩編について 加藤 敏 盧綸の詩の「開朗」性について 大橋 賢一 顧况の「文論」について 三上 英司 韓愈の性説と創作論 高橋 朱子 柳文初探――柳宗元と道教 砂山 稔 蘇轍の『春秋』解釈――王法の秩序の特異性 齋木 哲郎 明代の「文人」批評――胡応麟と顧炎武の場合 中嶋 隆藏 季彭山の『説理会編』について 吉田 公平 清代閩南の官話について――『正音郷談雑字』研究の一 樋口 靖 三徳里の「小伙計」――創造社出版部と上海通信図書館 小谷 一郎 雷石楡『国際縦隊』前史(1)――日本留学時期から上海逗留時期まで 池澤 實芳 『源氏物語』と『毛詩』――「関雎」篇との関係を中心に 小林 健一 徳川光圀生母の合葬問題と朱舜水 松崎 哲之 蠣崎波響漢詩論(VII)――官忙と詩作との間で 高木 重俊 20世紀日本における明代道教史研究の軌跡――特に王朝権力と道教界との関係についての研究史 石田 憲司 ヨーロッパ人による「孝」の解釈 井川 義次 支那文明における土地私有の欠如――estateと知識人 北村 良和
わが自紀の篇 大久保隆郎
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■編著者紹介
大久保 隆郎(おおくぼ たかお):1935年北海道生まれ。東京教育大学(現・筑波大学)大学院修了。福島大学教授を経て、2001年4月より、同名誉教授。『中国思想概論』『中国思想史(上)』(いずれも共著)他論著多数。
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