ドキュメント 戦後日中友好運動 戦後の日本と中国両国間の諸動向にふれつつ、日本中国友好協会のさまざまな取り組みを中心に、日中両国国民の友好・交流の歩みを描くドキュメント。国交正常化実現へ向け、いかなる人びとによって、どのような努力が重ねられたのか、その経験と教訓を踏まえ、国交正常化から28年、21世紀に向かう新たな時代の友好運動への道を論じる。日中平和友好条約、協会結成趣旨をはじめとする重要資料、都道府県協会の活動記録、年表を付し、今後ますます重要となる日中関係を考えるうえで必読の書となっている。カバーには協会が重要な課題として取り組んだ南京城壁保存修復事業を記念して描かれた協会会長平山郁夫画伯の画を配す。●編著者のことば ……半世紀にわたる日中友好運動を振り返り、その経験と教訓を踏まえ、二一世紀へ向かう新たな時代の友好運動と取り組みたい、という思いによるものです。同時に、広く一般の人びとに、日中関係が現在のような状況へと発展するに至った過程を知っていただきたい、という願いも込められています。(「あとがき」より)
●構成 第1章 日中友好協会の創立―直面するきびしい試練 結成大会/注目すべき諸活動/友好諸団体の結成/米占領軍による協会弾圧/いわれなき誹謗・中傷/対日講和条約の調印/日台条約の締結/日台条約の含む重大な問題 第2章 切り開かれた友好への道―両国をつないだ民間貿易協定 意義大きい文化活動/学術交流に道開く/日中民間貿易協定の締結/遠かった北京への道/中国残留日本人の帰国実現へ/交渉を妨害する日本政府/中国人殉難者の遺骨を送還 第3章 「積み重ね方式」への期待―盛り上がる交流 国会、日中問題で発の決議/紅十字会代表団の来日/変わる国際潮流―平和五原則の確立/中国通商代表団の来日と背景/活発化する学術文化交流/各界に広がる交流/前進と停滞―友好協会の活動と組織/高まる「積み重ね方式」への期待 第4章 日中関係破局へ―長崎国旗事件の背景 まぼろしの石橋内閣/岸内閣の登場/浮上してきた台湾問題の重要性/もちあがってきた意見の対立/日中民間貿易協定に対する岸内閣の対応/台湾尊重の政府回答/中国、政府回答の受け取り拒否/長崎国旗事件/「歴史の証人」 第5章 日中関係打開への努力―試練の安保条約改定問題 「政治三原則」の提起/浮上してきた安保条約改定/「闘う協会」へ/安保改定阻止行動へ/浅沼代表団の訪中/石橋・松村、日中関係打開に立ち上がる/打開への種をまいた二人/登場した池田内閣の対中国姿勢/池田首相、日中関係改善へ乗り出す/松村訪中、LT貿易の成立/LT貿易協定の意義 第6章 潮流暗転、冬の時代へ―友好と反友好の闘い 中日友好協会の設立/「三千万人署名運動」/池田首相の退陣―佐藤内閣の登場/輸銀資金の使用に反対/中国、佐藤内閣を強く批判/日中青年友好大交流/友好協会、日共系と訣別 第7章 日中国交正常化の実現―歴史的転換に向けて 最悪の事態招いた日米共同声明/LT貿易関係者の苦闘/変わる潮流/旋風巻き起こした“ピンポン外交”/ニクソン・ショック―頭越し大国外交の衝撃/波紋を投じた王国権の来日/暴走する佐藤首相/拒否された「保利書簡」/歴史的転換への政権闘争/田中、正常化への胸中を明かす/日中国交正常化の実現/情勢判断を誤った友好協会 第8章 二一世紀へ向かう日中友好―正常化後の軌跡と発展 日中共同声明の意義/画期的な航空協定の締結/再生する日中友好協会/友好都市の提携、交流の軸に/難航した平和友好条約の締結/「改革・開放」へ向かう中国と日本/友好協会の画期的な改革/浮上した歴史認識問題/繰り返す同質の問題―首相の靖国神社公式参拝/日本青年三千人の招待/新たな時代へ向かう両国関係/二一世紀へ向かう日中友好 資料 都道府県協会の軌跡 あとがき 都道府県協会一覧/年表
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