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妓女と中国文人 /東方選書35
斎藤茂 著
出版社:東方書店
出版年:2000年01月
コード:00543   208p   ISBN/ISSN 4-497-20005-1
 
価格 1,760円
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色街に生きる女たちが育んだ中国文学の底流!
古来中国において、数多くの士大夫が出入りする遊里は、文学の中継地、発信地でもあった。そこで生きる妓女(遊女)たちは、士大夫たちと交遊するうちに、彼らが詩文や物語を作る現場に立ち会い、おのずから鑑賞者、批評者、仲介者の役割を果たすことになった。本書は、中国の妓女について、文人との交流や文学とのかかわりを中心に概観する。妓女の歴史やその分類、技芸の内容や日常生活の実態、白居易や李商隠といった文人たちと歴代の名妓たちとの交流、女流詩人としても名を馳せた薛濤や魚玄機、詩・小説・戯曲に描かれた妓女や妓館の様子などを丹念にたどりながら、中国の文学・文化に果たした妓女・妓館の役割の重要性を浮かび上がらせる。

編著者のことば
妓女は時代の文化や社会の動向とかなり密接な関係を持っていた。そして、それゆえに新しい傾向を受け入れ、時の流行を形成するのにも一役買っていたのである。文化史や文学史を見るとき、その時代を代表する動きや作者たちにとかく目が行ってしまうが、それを育み支えた底流のあることを忘れてはならない。妓女たちが、文化を享受し消費するだけでなく、時にはその中から新しい動きを嗅ぎ取り、流れを作り出す力を持っていたことは、文化史の底流を考える場合、重要な意味を持つであろう。(本文より)

構成
はじめに
第1章 妓女の起こり
1 妓女の意味
遊女と妓女/「妓」の字について
2 妓女の源流
宗教儀礼とのかかわり/奴隷娼/歴史に現れる最初の妓女/妓女の供給源
3 妓女の種類とその概要
宮妓/家妓/営妓/官妓/民妓
4 女道士と尼僧
娼妓的な側面/文学とのかかわり
5 中国の男色
孌童/男色を好む風潮
第2章 妓女の技芸と日常
1 妓女の技芸
宮中音楽所/梨園と教坊/妓女の歌舞/妓女と芝居/芸としての酒令・話術/唐代の酒宴/酒令のやり方/酒令の種類/律令/著辞令/当意即妙の機知
2 妓女の日常
色街の様子/明代の旧院/清末の上海
第3章 名妓と文人たち
1 文人について
2 歴代の名妓
緑珠と石崇/薛濤と元白/魚玄機と温庭筠/李師師と徽宗・周邦彦/陳円円と呉三桂/柳如是と銭謙益
第4章 妓女と詩歌
1 妓女を描く詩歌
詩歌での妓女の描かれ方/妓女を描く詩/妓女に贈る詩/妓女を悼む詩/妓女の物語詩/転換期としての唐代
2 妓女の手になる詩歌
「子夜歌」/「掛枝歌」
3 恋愛詩
中国の男女関係/恋愛詩の成立と妓女/李商隠の恋愛詩
第5章 妓館と小説・戯曲
1 文言小説―唐代伝奇より
2 短編白話小説―三言二拍より
売油郎/杜十娘
3 章回小説より
『金瓶梅』の中の妓女/『海上花列伝』と上海の色街
4 戯曲より
元曲「救風塵」/李香君と「桃花扇」
5 遊里文学
第6章 新しい文化と妓女・妓館
1 新しい文化の享受とその中継
時代の文化と妓女/文化の中継者
2 文化の中継・発信地としての妓館
妓館での評価/唱和詩の場合/これらの唱和詩の注目点/詞の場合
おわりに
主要参考文献リスト/あとがき

■編著者紹介
斎藤 茂(さいとう しげる):1950年茨城県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。東京大学文学部助手、大阪市立大学文学部講師、同助教授を経て、現在同教授。『韓退之』(共著)、『詠史と詠物』(共著)、『教坊記・北里志』(翻訳)など著訳書多数。
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