薄明の文学―中国のリアリズム作家・茅盾
/東方選書4
松井博光 著
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出版社:東方書店 |
出版年:1979年10月 |
コード:00091 284p ISBN/ISSN 4-497-00054-0 |
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茅盾を中心に中国現代文学の創生期を語る! 「新文学」の中心人物として中国現代文学をリードした茅盾は、大革命の挫折体験をもとでに、西欧から学んだ写実を唯一の指標として暗黒の夜を手探りで模索した作家であった。その彼の軌跡は、中国現代文学におけるリアリズムの航跡と重なっている。本書は、魯迅など彼をとりまく作家たちのエピソードをまじえながら、茅盾の歩みと、日本亡命中に書かれた『虹』や動乱と暗黒の時代に発表された『子夜』などの代表作を紹介する。●編著者のことば 作品の梗概を連ねて年代記風に伝記を書くことはやめて、できるかぎり茅盾と彼をとりまく作家たちのエピソードを紹介しながら、気ままに茅盾に関して語ることにしよう、とわたしは考えた。その方が中国の〈新文学〉(近代文学)最初の結社である文学研究会の中心人物となって以来、〈新文学〉の辿った曲折したきびしい歴史とたえず深くかかわってきた茅盾が、より身近に感じとれるのではないか、と思ったからである。(「あとがき」より)
●構成 序にかえて 第1章 霧と虹と紅葉―京都の茅盾 1 京都の霧/2 茅盾の来日と景雲里/3 虹と紅葉/4 陰陽鏡と嵐山/5 《牯嶺から東京へ》と《『倪煥之』を読む》/6 長篇『虹』/7 京都の隣人 第2章 文学研究会と大革命 1 商務印書館と交渉した若者/2 『新社会』グループ/3 葉紹鈞、孫伏園、周作人ほか/4 商務印書館の茅盾/5 『小説月報』の刷新/6 創造社と茅盾/7 〈五・三十〉前後/8 矛盾の爆発―広州と武漢/9 牯嶺から上海へ/10 『蝕』と《厳霜下の夢》 第3章 1930年代の茅盾―左連・『子夜』・『自由談』 1 左連加盟/2 上海事変と商務印書館/3 瞿秋白と茅盾/4 《『子夜』はどのようにして書いたか》/5 『子夜』をめぐって/6 《春蚕》と《林商店》/7 『自由談』と雑文 第4章 流浪する茅盾―抗戦期と内戦期 1 上海、香港、ウルムチ/2 香港、桂林、重慶/3 『腐蝕』『霜葉は二月の花より紅い』『鍛錬』 邦訳された茅盾の主要著作/茅盾略年譜/あとがき
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■編著者紹介
松井博光(まつい ひろみ):1930年仙台生まれ。1957年東京都立大学大学院修士課程修了。桜美林大学助教授、東京都立大学教授を経て、現在杏林大学教授。編訳書に李鋭『毛沢東その青年時代』(共訳)、同『若き毛沢東』(共編)など。
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