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街場の米中論
内田樹
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出版社:東洋経済新報社 |
出版年:2023年12月 |
コード: 250p ISBN/ISSN 9784492444795 |
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疫病と戦争で再強化される「国民国家」はどこへ向かうのか。 拮抗する「民主主義と権威主義」のゆくえは。 希代の思想家が覇権国「アメリカ」と「中国」の比較統治論から読み解く。
アメリカにはアメリカの趨向性(あるいは戦略)があり、中国には中国の趨向性(あるいは戦略)がある。それを見分けることができれば、彼らが「なぜ、こんなことをするのか?」、「これからどんなことをしそうか?」について妥当性の高い仮説を立てることができる。それがこれからこの本の中で僕が試みようとしていることです。(第1章より)
アメリカと中国というプレイヤーがどうふるまうかによって、これからの世界の行方は決まってきます。僕たち日本人にできることは限られています。直接、両国に外交的に働きかけて彼らの世界戦略に影響を及ぼすということは日本人にはできません。日本自体が固有の世界戦略を持っていないのですからできるはずがない。できるのは、両国の間に立って、なんとか外交的な架橋として対話のチャンネルを維持し、両国の利害を調整するくらいです。それができたら上等です。 とりあえず僕たちにできるのは観察と予測くらいです。この二つの超大国がどういう統治原理によって存立しているのか、短期的な政策よりも、基本的にどのような趨向性を持っているのか、それをよく観察して、世界がこれからどういう方向に向かうのか、どのような分岐点が未来に待ち受けているのか。(第1章より)
目次: 第1章 帰ってきた「国民国家」時代の主導権争い 第2章 自由のリアリティ 第3章 宗教国家アメリカの「大覚醒」 第4章 解決不能な「自由」と「平等」 第5章 ポストモダン後にやってきた「陰謀論」時代 第6章 「リンカーンとマルクス」という仮説 第7章 国民的和解に向かうための「葛藤」 第8章 農民の飢餓 第9章 米中対立の狭間で生きるということ
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