簡帛文献からみる初期道家思想の新展開
上製
王中江/吉田薫 訳
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出版社:東京堂出版 |
出版年:2018年07月 |
コード: 330p ISBN/ISSN 9784490209891 |
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考古学の成果を取り入れ、新出土資料と伝世文献を関連付けて初期の道家思想を再検証。中国思想史に新たな視座を提供する画期的研究。
20世紀に入り70年代、特に90年代以来大量の簡帛が出土し、公開された。このことは古代中国の文明や歴史、文化、および思想などの多くを理解するうえで大きな活力と作用をもたらした。本書は積極的に考古学の成果を取り入れ、出土文献に拠って道家思想の再検討を進めることにより、初期の道家が、老子から荘子へ、老子から黄老思想へと、実に多元的でそれぞれ異なる変化・発展の道をたどっていったことを明らかにする。さらに道家が、宇宙や自然の事物について非常に強い好奇心を持って追究を深めていたことも実証。道家が様々な方法で「道」の秩序から人間社会の秩序を構築していったことを浮き彫りにする、画期的な研究成果。
目次: 序論 出土文献、ならびに道家の宇宙観と人間社会観についての再検討 一 出土簡帛文献の年代と自然の宇宙観 二 宇宙のはじまりと状態、および生成の過程について 三 万物の内面性と活力について――「物性」はいかに獲得できるか 四 「道」の「弱作用力」と万物の「自発性」 五 自然の連続性:宇宙から人間の世界へ 結語 第一章 道と事物の自然――老子「道法自然」の意義について 一 「道法自然」の一般的解釈の原点と問題 二 「自然」と「万物」および「百姓」 三 「無為」と「道」および「聖王」 四 「道法自然」と老子思想の構造 第二章『太一生水』における宇宙生成モデルと天道観 一 宇宙の原初状態――「太一」と「一」 二 「主輔」の生成メカニズム――「水」から「天」と「地」に至るまで 三 「相輔」の生成機能――「神明」から「歳」に至るまで 四 原理としての「太一」と「天道観」 第三章 『恒先』の宇宙観、ならびに人間社会観の構造 一「恒先」――宇宙の「原初」およびその「状態」 二 「域」から「気」に至るまで――宇宙の進化と天地の生成 三「始」と「往」――「万物」の生成、存在、および活動 四「天下之事」と人間社会における行動の尺度 結語 第四章 『凡物流形』の生成、および自然と聖人――「一」をめぐる考察と帰属学派について 一 生成の根源としての「一」 二 「物」としての「自然」 三 「聖人」と「執一」 結語 帰属学派 第五章 黄老学の法哲学の原理と公共性、および法律共同体の理想――なぜ「道」と「法」の統治なのか 一 「道法」――「実在法」における「自然法」の基盤 二 「人情論」と「因循論」――法律による統治と人性、および合目的性 三 「法律」による統治と「公共性」、および「客観化」 四 「法律共同体」の理想、およびその「徳治」と「法治」 日本の読者に寄せて 索引
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