アステイオン 98
公益財団法人サントリー文化財団アステイオン編集委員会 編
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出版社:CCCメディアハウス |
出版年:2023年05月 |
コード: 324p ISBN/ISSN 9784484222394 |
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「中国」「中華」の意義・影像によって、中国に対する言動・関係が変わり、その過程を通じ、各国各地の運命も決まってきた。何度も干戈を交えた日本も、もちろん例外ではない。ほかの国々はなおさらそうだろう。いまや「米中対立」と言って憚らないアメリカすら然り。中国史の多くをそうした史実経過が占める。「中華」の拡散・深化と「中国の夢」を、外の眼からあらためてさぐってみることで、東アジアの現在を考えたい。
目次: 【特集】 「中華」の拡散・深化と「夢」みる中国(岡本隆司) 朝鮮半島にとっての中華(森万佑子) 征韓論からみる日本と「中華」(石田徹) 「琉球処分」からみる米国と中国(ティネッロ・マルコ) 台湾で「中華」は限りなく透明になる(野嶋剛) 香港の「中国式現代化」は可能か?(倉田徹) チベットの歴史的論理――自治と独立(小林亮介) 歴史にさかのぼる新疆問題(熊倉潤) ベトナム――誇り高き南の中華(牧野元紀) モンゴルから「中華」を見る(小長谷有紀+岡本隆司+田所昌幸)
【論考】 デジタル人民元は国境を越えるのか(相良祥之) 曖昧な態度はなぜか――ウクライナ戦争におけるトルコ(スヴェンテ・E・コーネル) 謎のシエルコフ夫人を探して六千哩(張競)
【座談会】 「面白ければこそ!」地域文化賞の味わいを楽しんだ二〇年(佐々木幹郎+田中優子+藤森照信+御厨貴)
【世界の思潮】 タイの若者たちが紡ぐ新しい「物語」(福冨渉) 「人事の経済学」のすすめ――官僚制度への示唆(酒井正) 土のことは陶芸家に聞け――日本思想の根本特質とは何か(板東洋介) 明らかにすることは常に良いことなのか――遺伝子診断の問うもの(河合香織)
【時評】 モダニズムと自然の関係藤(森照信) 「ラジオ的リアリズム」の誕生(渡辺裕) 戦場における肉声を求めて(前田啓介) プランCはない――長引くミャンマー危機の行方(中西嘉宏) 「選ぶ」ことの可能性(江本紫織) 今は春べと咲くやこの花――次のステージに向かって(ピーター・J・マクミラン) 夢を語る政治家、冷めた若者(阿川尚之)
【写真で読む研究レポート】 商品化されたアヤワスカと残された空気信仰――現代を生きるシピボの「治療師」(渡邊由美) 世界に向けて「共感」を募る――ビットコイン技術を活用した地方活性化の取組み(杉浦俊彦)
【連載企画「超えるのではなく辿る、二つの文化」】 納得の文系に説得の理系(安藤妙子+後藤彩子+村田純+宮野公樹)
【連載】 今みなおす江南史――南北関係の再編(岡本隆司) 昆虫学事始――日本の昆虫研究を支えた人々(奥本大三郎)
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