世界史序説 アジア史から一望する
/ちくま新書
岡本隆司
|
|
出版社:筑摩書房 |
出版年:2018年07月 |
コード: 265p ISBN/ISSN 9784480071552 |
|
|
|
アジア史の観点から世界史を一望。そのとき「ヨーロッパの奇跡」「日本の近代化」はどう位置づけられるのか。西洋中心の歴史観を覆し「来るべき」世界史をえがく。
目次: はじめに 日本人の世界史を 巷の「世界史」/普遍史と世界史と西欧/グローバル・ヒストリーまで/西洋中心史観/自国史・日本史・東洋史/西と東/東西格差/アジアから見る歴史/日本人の世界史
第Ⅰ章 アジア史と古代文明 1 アジア史の構想・構成 東洋史学の現状/東洋史学の隘路/時代区分のみなおし/東西交渉史のみなおし/先達の構想/考察の端緒/アジアの地域構成/シルクロードとは何か 2 古代文明とアジア史の出発 文明のはじまり/遊牧の位置/文明の構成/オリエント/ギリシア・ローマ・インド/中央アジアから中国へ 3 「大移動」と古代文明の解体 「滅亡」の時代/寒冷化/新しい体制/宗教・信仰の時代/「世界宗教」?/キリスト教とローマ・オリエント/東アジアの仏教
第Ⅱ章 流動化の世紀 1 東と西の再統一 優越するオリエント/イスラームの登場と席巻/オリエントの再統一/イスラームの定着/中央アジアの位置/突厥から隋唐へ/唐と中央アジア 2 移動と分立の東西アジア 「東アジア」と「東ユーラシア」/仏教の位置/仏教帝国の夢/安史の乱/「東ユーラシア」の解体/ウマイヤ朝からアッバース朝へ/イスラームの多元化/ペルシアと中央アジア/ウイグルと中央アジアのトルコ化/イスラーム化とトルコ化の進展/西進する遊牧民 3 トルコ化と契丹 焦点としてのウイグル/ウイグルとソグド/トルコ化・イスラーム化の内実/トルコ人の制覇と温暖化/契丹の勃興/唐宋変革/多国共存体制/モンゴル帝国の前提
第Ⅲ章 近世アジアの形成 1 モンゴル帝国の建設 モンゴルの登場/東西草原世界の制覇/政権の組織化/東西の拡大/第二のステージ/フラグの西征/クビライの簒奪 2 モンゴルの達成 停止する拡大/遊牧政権の集大成/軍事と通商/首都圏の建設/商業と徴税/通貨制度 3 ポスト・モンゴルの転換 陸から海へ/「一四世紀の危機」/チャガタイ=トルコとティムール朝/イランの形成/オスマン帝国/近世アジアの展開 4 明清交代と大航海時代 明朝の成立/「中華」の純化/社会の商業化/「北虜南倭」/清朝の興起と達成/海上交易/インドの勃興/グローバル世界史の形成
第Ⅳ章 西洋近代 1 イタリアの盛衰と近代ヨーロッパの胎動 地中海とイタリア/ヨーロッパとローマ/焦点としてのシチリア/フリードリヒ大帝/ルネサンスの背景/ルネサンスとは何か/イタリアの位置/没落 2「海洋帝国」から大英帝国へ スペイン・ポルトガル/「海洋帝国」/西欧・北欧の位置/オランダ/環大西洋経済圏/量的拡大/イギリスの登場/イギリスの黎明/アングロ・サクソン的「法の支配」/凝集する国家 3 帝国主義と東西の「帝国」 産業革命/革命の結集と大英帝国/近代世界経済とその核心/信用の拡大と投資の出現/帝国主義と現代/「大分岐」「大収斂」/「西欧の奇跡」/東の「帝国」と「法の支配」/西の「帝国」と「中世」
おわりに 日本史と世界史の展望 「中世」と「近代」/「近代」と歴史学/「中世」の存否―中国と日本/日本人と歴史学と日本史/近世までの列島/「大開発」の進行と停頓/社会経済の転換/日本史とアジア史と西欧/近代日本と現代世界
あとがき 文献一覧
|
|