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親密なる帝国 朝鮮と日本の協力、そして植民地近代性(コロニアル・モダニティ) 上製
ナヨン・エィミー・クォン/永岡崇 監訳
出版社:人文書院
出版年:2022年04月
コード:   402p   ISBN/ISSN 9784409041192
 
価格 4,950円
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日本と朝鮮、戦時下における文化「協力」

〈内鮮一体〉の掛け声のもと一度は手を取り合いながら、戦後には否認された数々の経験と記憶。忘れ去られたその歴史を掘り起こし、「協力vs抵抗」では捉えきれない朝鮮人作家たちの微細な情動に目を凝らす。日本と朝鮮半島に共有された植民地近代という複雑な体験がもたらす難問に挑み、ポストコロニアル研究に新たな光を当てる画期作。

「本書で論じられるのは、「韓国(朝鮮)と日本の近代史において親しく分有され、しかし否認されてきた植民地的過去と、アジア・太平洋地域において争われているその遺産の広範な意味」である。植民地末期に活躍した金史良(キムサリャン)、張赫宙(チャンヒョクチュ)、姜敬愛(カンギョンエ)ら植民地朝鮮出身作家とその作品は、日本帝国の崩壊後、日本では忘却もしくは周縁化され、韓国と北朝鮮では対日協力と抵抗の二分法的論理に基づいて分類・評価されてきた。クォンは、これらの作品が――植民地期からポストコロニアル期にかけて――生産/翻訳/消費されるプロセスを徹底して追跡することによって、記憶の抹消や固定的な二分法を乗り越え、コロニアルな近代経験が孕む難問(コナンドラム)を明るみに出していく。」(訳者あとがきより)


目次:

日本語版への序文

謝辞

第1章 植民地近代性(コロニアル・モダニティ)と表象の難問(コナンドラム)

第2章 朝鮮文学を翻訳する
転換期と危機 朝鮮文学とは何か 植民地文学、国民文学、世界文学をめぐる議論 朝鮮文学の歴史を構築する

第3章 マイナー・ライター
言語的な故郷喪失 一九四〇年の芥川賞 植民化された私小説 純文学の驕り

第4章 光の中に
手紙の交換 「光の中に」 非家庭的な家庭 解体する形式 未決の結末

第5章 コロニアル・アブジェクト
(自己)反省的なパロディ 植民地のモダンボーイ(モ‐鮮人) 植民地のモダンガール 討論:国民文学の再構築

第6章 コロニアル・キッチュを演じる
〈春香伝〉の語り直し 植民地ノスタルジアと帝国ノスタルジアのはざまで 民族的伝統としての春香物語(「春香伝」) コロニアル・キッチュとしての「春香伝」 村山知義と張赫宙 「朝鮮らしさ」の翻訳 植民地の言語と翻訳(不)可能性 植民地朝鮮での座談会 「帰郷」という問題

第7章 トランスコロニアルな座談会を盗み聞きする
日本における座談会の登場 座談会を盗み聞きする 座談会「朝鮮文化の将来」 コロニアルな他者の検閲

第8章 地方への転回
植民地から地方へ 帝国のはざまの朝鮮 帝国のマスメディアと循環する地方 植民地コレクション

第9章 満洲の記憶を忘却する
植民地の真相というパラドクス 阿片の密売 コロニアル・リアリズムのポストコロニアル体制

第10章 ポストコロニアリティの逆説
ポストコロニアル・ノスタルジア 帝国の三角関係 帝国を否認する アジアにおけるポストコロニアリティはいつなのか 冷戦とポスト冷戦のパラドクス べつの手段による帝国

訳者あとがき

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