日中韓働き方の経済学分析 日本を持続するために中国・韓国から学べること
上製
石塚浩美
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出版社:勁草書房 |
出版年:2019年12月 |
コード: 240p ISBN/ISSN 9784326504688 |
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日本・中国・韓国の労働市場等をダイバーシティに焦点を当てて比較研究し、日本経済の維持・成長に必要な経済活性化の方策を訴える。日本の喫緊の経済課題たる、①人口激減、②世界最大の債務残高国からの脱却には、日本の持続的発展のためにIMFから提言された「ジェンダー・ダイバーシティ経営」への転換が必要である。本書は日中韓の比較から、日本労働市場でのダイバーシティ対応のジョブ型労働市場への改革を訴え、日本の課題に応えようとするものである。
目次: はじめに 謝辞 図表目次 第Ⅰ部 日中韓の経済・労働市場・企業の現状 第1章 なぜ日中韓比較なのか:本書の枠組みと日本の経済課題 1.なぜ日中韓比較なのか:中国の比較研究対象は都市部のみ 2.日本の喫緊の経済課題と,IMFからの提言 3.世界の目標:国連SDGs「持続可能な開発目標」 4.本書の枠組み 第2章 日中韓の経済と労働市場 1.日中韓における経済の推移 2.日中韓における人口の推移:合計特殊出生率・平均寿命 3.日中韓における男女格差指標GGGIのランキングと4部門の推移 4.日中韓における労働市場の量と質の違い 5.おわりに 第3章 日本・韓国の働き方改革と中国の働き方 1.「日本的雇用慣行」と現状:日本正社員のメンバーシップ型働き方 2.日本の働き方改革等の経緯:「女性活躍推進法」「若年雇用促進法」等 3.韓国の働き方改革等の経緯:「積極的雇用改善措置制度」等 4.韓国のAA制度「積極的雇用改善措置制度」の成果と企業の女性活用に及ぼす効果分析 5.中国での戸籍別・男女別働き方とジョブ型の働き方 6.日中韓の若年層の高等教育の進学率 7.おわりに:日中韓の職業分類とジョブの分類
第Ⅱ部 中国労働市場の特徴と変化 第4章 中国の2戸籍制度と3地域の特徴:外資企業の中国経済への影響分析 1.はじめに:中国労働市場は2戸籍制度と3地域によって働き方が異なる 2.先行研究のサーベイ 3.マクロデータでみる外資企業就業者と地域性 4.マイクロデータでみる戸籍別の外資企業就業者と内資企業就業者の特徴 5.工業部門データによる外資企業の貢献を示す相対的生産性の分析 6.実証分析:工業部門における,外資労働・内資労働・資本の代替・補完関係の推定 7.おわりに:増加する中国中部地域の外資企業就業者 第5章 中国都市部における「先進国型専業主婦」と夫婦の就業 1.はじめに:中国の女性就業者と「先進国型専業主婦」 2.中国女性就業と3種類の専業主婦への制度の影響 3.中国総合社会調査CGSSデータによる「先進国型専業主婦」と夫婦別賃金の特徴 4.先行研究:中国女性就業に影響する要因 5.推定モデルと推定結果の考察 6.おわりに:中国女性の労働力率はなぜ高いのか
第Ⅲ部 日中韓企業の男女雇用の経済学分析と日本経済の維持 第6章 実証分析:女性雇用がもたらす企業収益の推移:韓中企業の女性活躍ダイバーシティ経済政策クオータ制と収益性から学ぶ日本企業 1.はじめに:女性就業者割合を上げれば企業の収益性は上がるのか 2.先行研究のサーベイ 3.データ 4.分析の枠組み 5.実証分析の推定結果 6.おわりに:中国,韓国に学ぶ日本企業 第7章 実証分析(労働の質):日中韓企業における男女の管理職昇進メカニズムと要員分析 1.はじめに:日本の働き方と,中国・韓国から学べることは何か 2.昇進関連の理論と先行研究:「ガラスの天井」と「くっつく床」 3.データ 4.管理職昇進と家庭要員の現状 5.昇進という女性雇用の“質”の実証分析:負の二項回帰モデル 6.おわりに:日本の職位の男女差は最大で他国から学べる 第8章 実証分析(労働の量):日中韓企業における男女雇用量の代替・補完と,賃金格差分析 1.はじめに:女性正社員の増加は男性正社員も増やすのか 2.現状分析:日中韓における労働需要量の男女差 3.データ:「男女の人材活用に関する企業調査データ」 4.男女労働需要の代替・補完分析 5.男女間賃金格差の要因分解分析 6.おわりに:日中韓企業の女性採用は男性採用も増やすが,その要因は何か 初出文献 参考文献 索引
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