中所得国の罠と中国・ASEAN
上製
トラン・ヴァン・トウ,苅込俊二
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出版社:勁草書房 |
出版年:2019年07月 |
コード: 288p ISBN/ISSN 9784326504589 |
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「中所得国の罠」とは、自国経済が中所得国のレベルで停滞し、先進国(高所得国)入りがなかなかできない状況をいう。中所得国の仲間入りを果たした後の各国は、果たして先進国入りができるのか。日本・韓国の経験を踏まえて、中国・タイ・マレーシア・インドネシア・フィリピン・ベトナムの課題と可能性を問う。
目次: はしがき
第1部 中所得国の罠の課題と理論 第1章 「中所得国の罠」論の登場 1-1 中所得段階の成長過程 1-2 開発経済学における「中所得国の罠」論の位置づけ 1-3 「中所得国の罠」に関する3つの捉え方 1-4 先行研究から見えてくる論点・課題 第2章 中所得国の罠についての理論的枠組み 2-1 経済発展段階論 2-2 要素賦存状況の変化と中所得国の罠 2-3 キャッチアップ型工業化:雁行型発展の示唆と脱工業化の問題 2-4 経済発展と制度要因:制度の罠と発展の罠 2-5 結語と残された課題 第3章 中所得段階での成長鈍化と早期脱工業化 3-1 世界銀行による所得分類 3-2 世界銀行基準に準拠した長期的所得区分の作成 3-3 中所得国の成長性に関する考察 3-4 先進諸国における脱工業化過程 【コラム】脱工業化とボーモルのコスト病 3-5 おわりに 第4章 FDI主導型成長と持続的発展の条件 4-1 外国の資本・技術・経営ノウハウの導入チャネル 4-2 技術吸収能力・社会能力 【コラム】後発性の利益と社会能力:日本と韓国の話 4-3 外国直接投資の効果 4-4 FDI依存度と中所得国の罠 4-5 おわりに 第5章 アジア工業化と経済発展 5-1 東アジアの重層的発展:日本発の発展過程と現段階 5-2 東アジアでの工業化波及メカニズムとその要因:雁行形態論とフラグメンテーション理論 【コラム】アジアダイナミズムへのASEAN諸国の合流過程 5-3 アジアダイナミズムとメコン河流域諸国の発展 5-4 おわりに
第2部 北東アジアの経験が示唆するもの 第6章 日本経済の発展経験 6-1 日本経済の発展過程:時期区分 【コラム】高度成長期の立役者:経世済民の経済学者と名宰相 6-2 欧米へのキャッチアップと発展諸段階の要因 6-3 結びに代えて:日本の発展からの示唆 第7章 韓国の経済発展:科学技術力強化過程を中心に 7-1 イノベーションにおける科学技術の位置づけ 7-2 韓国の科学技術強化政策の変遷 【コラム】韓国の外国資本導入と経済発展 7-3 韓国の科学技術力の評価 【コラム】国際市場における技術的パフォーマンス 7-4 韓国の科学技術力強化戦略からの示唆 7-5 まとめ
第3部 中所得国の罠が回避できるか:中国とASEANの発展と展望 第8章 中国経済の発展過程と現段階:中所得国の罠に関して 8-1 中国経済の発展過程・構造変化と現段階 8-2 中国経済の発展成果と成長要因 8-3 中国の持続的発展課題:要素市場と技術革新 8-4 おわりに 【コラム】中国が進める一帯一路政策 第9章 高位中所得国としてのタイとマレーシア:外資主導型発展の功罪 9-1 タイとマレーシアにおける経済成長と直接投資流入の動向 9-2 マレーシア,タイにおける工業化政策の変遷と外資導入の位置づけ 9-3 通貨危機後の経済動向と今後の発展戦略 【コラム】人口動態が経済発展に与える影響:人口ボーナスから人口オーナスへ 9-4 おわりに 第10章 低位中所得国のインドネシアとフィリピン:非工業化型の発展は持続可能か? 10-1 インドネシアとフィリピンにおける経済発展状況:通貨危機まで 10-2 2000年代の経済動向 10-3 非工業化型成長の持続性:インドネシアとフィリピンの発展戦略の方向性 【コラム】国内消費を支える海外労働者送金 第11章 ベトナム経済:要素市場と持続的発展の課題 11-1 ドイモイのフェーズIとその成果:1986-2006年 11-2 2007年以降のドイモイフェーズIIとその課題:要素市場の低発達 11-3 ベトナム経済の現段階と長期展望 11-4 おわりに 【コラム】北朝鮮がベトナムの経済改革に学ぶ話について
参考文献 人名索引 事項索引
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