国際関係理論と日本外交史 「分断」を乗り越えられるか
上製
大矢根聡 編
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出版社:勁草書房 |
出版年:2020年02月 |
コード: 356p ISBN/ISSN 9784326302857 |
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理論家と歴史家の画期的なコラボレーション!外交史研究と国際関係理論研究の対話を通じて、新たな日本外交像を切り拓く。国際関係論は本当に進歩しているのだろうか。外交史研究では膨大な史料が公開されてきたが、それに溺れて分析の視点が不明確になりやすい。理論研究では方法論が洗練されてきたが、理論的革新が見られなくなった。そこで本書では、日本外交を舞台に歴史研究と理論研究の対話を試み、新たなフロンティアの開拓を試みる。
目次: はじめに
第Ⅰ部 序論 第1章 国際関係理論と日本外交史──「分断」を乗り越えられるか(大矢根聡) 1.日本外交の実像? 2.日本外交の「能動性」と国際秩序理論の盲点? 3.歴史研究と理論研究,断絶の起源 4.歴史・理論対話の可能性 5.対話の相乗効果? 6.歴史と理論の相違 7.本書の方法と構成 第2章 理論・歴史対話の諸相──日本,アメリカ,ドイツ,フランス(大矢根聡,佐々木卓也,葛谷彩,宮下雄一郎) はじめに 1.日本における理論・歴史対話 2.アメリカにおける理論・歴史対話 3.ドイツにおける理論・歴史対話 4.フランスにおける理論・歴史対話 おわりに
第Ⅱ部 理論の歴史的再検討 第3章 現状防衛の時空間──安全保障外交の歴史と理論(石田淳) はじめに──外交におけるシグナルの送受信 1.外交におけるリアリズム──現状防衛の意図のコミュニケーション 2.維持・回復するべき現状の領域的範囲についての認識 3.現状を維持・回復するための方法についての認識 おわりに 第4章 日本のビルマ賠償をめぐる相互性──国際政治理論と戦後日本の経済協力外交の原点(福島啓之) はじめに 1.先行研究からの逸脱事例としての日本のビルマ賠償 2.相互性についての理論的考察 3.相互性の起動装置としての賠償 4.事例選択に関する方法論的検討 5.日本とビルマの賠償交渉の歴史事例分析 6.日本のビルマ賠償の内容 7.日本のビルマ賠償の実施とその意義 8.日本のビルマ賠償にみられる賠償の合意成立の条件 おわりに 第5章 国連総会一般演説を通じた日本の情報発信の変遷と傾向の検討──テキスト分析によるアプローチ(多湖淳) はじめに 1.コーパスデータと分析アプローチ 2.日本のアジェンダ・セッティング 3.ディスカッション──ひとつの解釈 資料 第6章 日本の対外政策決定のモデル化に向けて──「日常/非常時型モデル」の再検討(長久明日香) はじめに 1.日本独自の対外政策決定モデル形成への障害 2.「日常/非常時型モデル」の位置づけ 3.事例研究 おわりに──「日常/非常時型モデル」の改訂 第7章 サミットにおける日本外交──異質な国の多国間協調(大矢根聡) はじめに 1.多国間協調の理論──主体の同質性と異質性 2.日本のサミット外交のパターン──「馴化」の3類型 3.政策協調への参画──第1パターン 4.対抗的政策協調への対応──第2パターン 5.政策協調における独自案──第3パターン おわりに
第Ⅲ部 歴史の理論的分析 第8章 ジョージ・ケナンの現実主義と日米関係論──政策と理論の交差(佐々木卓也) はじめに──理論と歴史の対話 1.ケナンの対日認識の形成 2.ケナンと対日占領政策 3.ケナンと朝鮮戦争 4.ケナンとシカゴ大学講義 おわりに 第9章 日米繊維紛争における政治過程の再検討──時間とアイディアを中心に(村井良太) はじめに 1.戦争のあとで──前史 2.問題の発端と第1の転形──大平正芳通産大臣の堅陣 3.全体経済への危機感と業界の自主規制──宮澤喜一通産大臣と紛争の拡大 4.ニクソン・ショックと政府間交渉への再帰結──田中角栄通産大臣と危機対応 おわりに──日米繊維紛争と沖縄返還後の経済的大国日本 第10章 規範としての「一つの中国」(井上正也) はじめに 1.「二つの中国」論の起源 2.国際規範としての「一つの中国」 3.「一つの中国」原則の受容 おわりに 第11章 国際関係論の中の「普通でない国」?──戦後日独対外政策の比較研究を比較する(葛谷彩) はじめに 1.1970年代から80年代──パックス・アメリカーナの揺らぎと日独 2.1990年代──ポスト冷戦世界における日独 3.2000年代──アメリカ・インペリウムにおける地域大国としての日独 おわりに 第12章 「アジア太平洋」/「東アジア」と日本外交──民主党政権期を中心に(宮城大蔵) はじめに 1.アジア太平洋の歴史的文脈 2.東アジアの歴史的文脈 3.アジア太平洋と東アジア 4.鳩山由紀夫首相と「東アジア共同体」 5.和解と不戦共同体という発想 6.菅直人首相の経済重視路線 7.東アジア共同体からTPPへ? 8.「保守」を自任した野田首相 9.国際環境と日本の選択 おわりに 第13章 時代区分論の再検討と戦後日本の自由貿易政策試論(保城広至) はじめに 1.時代区分論への批判 2.時代区分論の社会科学的検討 3.戦後日本の自由貿易政策と時代区分 おわりに
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