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中国共産党 支配の原理 巨大組織の未来と不安
羽田野主
出版社:日経BP,日本経済新聞出版/日経BPマーケティング発売
出版年:2023年08月
コード:   304p   ISBN/ISSN 9784296118557
 
価格 1,980円
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「秘密結社」から始まった中国共産党は潜在的に守りの意識や被害者意識が強く、常に内側に不安を抱えている。結党目的の共産主義の実現はすでに失われ、政権党として君臨することが自己目的化している。共産党の指導は強さを秘める半面、寛容性や多様性を認めず、中国をより独善的に導き、経済発展とともに米国との衝突に向かわせつつある。膨張の果てに戦前の日本と同じ道を歩むリスクが高まっている。

外部から見た不可解な行動をとる中国共産党の原理とは何か。共産党の憲法といわれる「党規約」の読み解きを交えながら、日本のリーダーに資する中国分析を提供する。 中国共産党の変質を端的に表すものとして党員構成の変化があげられる。中国共産党の党員9191万人(2019年末時点)のうち、民間企業や国有企業などに勤める事務職や研究職が3219万人と、工場労働者や農民らの3201万人を上回った。1921年の結党以来初めて、オフィスで働く「ホワイトカラー」が現場の労働者の数を超えたとみられる。労働者と農業者が主流でなくなった共産党は政治集団としてのアイデンティティーを失いつつあるとの見方もある。

12年に総書記になった習近平氏は党員の質を高めるために入党者の数を絞り込む総量規制を実施した。中国の有名大学の卒業者や技術者らを積極的に入党させている。最近では党や政府機関、国有企業の就職・昇進を期待して入党を希望する若者も目立つようになっている。党員であることが「既得権益」になり、貧富の格差の是正などの抜本策を取りづらくなっている可能性がある。共産党はイデオロギー的正統性が損なわれるという矛盾を抱えたまま党創立100年を迎えた。


目次:
 第1章 すべてがヴェールに――秘密結社として生まれた共産党
 おびえる共産党
 もう一つの原点
 結党の絵を描いたロシア人
 幻だった「綱領」
 党創設メンバーの処刑地から見えるもの
 秘密の地下印刷所
 入党の誓いの言葉
 共産党は宗教なのか?
 他国と同盟を結べない
 生き残るために毛沢東本も発禁にする
 密室で決まる最高指導部
 習近平氏がすべて決めた 
 
 第2章 軍を握っているか――共産党トップの条件
 思想集団から軍隊への転換
 挫折に次ぐ挫折
 優秀な軍略家だった毛沢東
 共産党は日本とどう戦ったか
 日本の「末路」を予見
 戦争で権力を掌握
 天安門事件でカリスマになった鄧小平
 党官僚の弱点
 台湾危機で問われた力量
 軍と無縁だった胡錦濤氏
 チベット鎮圧で頭角
 党総書記後も軍掌握できず
 退場劇の「真相」は
 軍人だった習近平氏
 「幻の尖閣危機」を経験
 尖閣、「現状維持」で合意か
 駆け引きの極意を学ぶ
 福建省で仲間と出会う
 党トップ内定も軍が決め手
 中央委員の約2割が軍人
 君子豹変す
 最大の危機、香港デモ
 軍投入も検討していた鄧小平氏
 中央軍事委主席は手放さない
 謎の人物、鐘紹軍

 第3章 民意を問えない巨大集団――共産党の組織力
 優秀な人材を囲い込み
 共産党の「新卒採用」
 女性の時代は来るか
 ジャッキー・チェン氏の「共産党に入りたい」
 立ちはだかる4つの関門
 両親が党員なら有利
 党の末端組織、支部
 企業が党委員会を置くメリットは
 入党目的は公務員・国有企業
 一度入ったら抜けられない
 「純粋でまっすぐ」な人が多い
 格差は固定
 共産党が共産党でなくなったとき
 最大勢力は「資本家」
 利権集団への変貌
 六本木に500平方メートルの邸宅
 土を食べる人
 相続税も固定資産税もゼロ 

 第4章 つきない水脈――共産党とアメリカ
 習近平氏の母校は米留学予備校
 清華大にある秘密の学院
 米中軸の金融ネットワーク構築が狙いか
 米中裏パイプの「経済管理学院」
 米国通を締めつける習近平氏
 朱鎔基氏との関係悪化が影響か
 もう一つの100周年
 ロックフェラーと周恩来が会談
 JPモルガンが共産党に謝罪
 優遇措置続々と
 米民主党との関係意識か
 米テスラが払った「入場料」
 米中貿易戦争が追い風に習近平氏腹心に食いこむ
 マスク氏に「永住権」
 大統領候補に貸しづくり
 真の米中関係をどう読み解くか

 第5章 食と農――中国共産党のアキレス腱
 共産党は「農民の党」
 土地革命というプロパガンダ
 党員の3~4人に1人が農民
 民意の読めない怖さ
 共産党が上げた悲鳴
 農地の2割が汚染
 中国全土の農地が硬化
 食糧生産力に限界
 輸入多様化で生き残り
 共産党を揺さぶる豚肉価格
 天安門事件の遠因との指摘も
 まれに見る備蓄制度
 「ゼロコロナ」は豚から生まれた?
 農学者の死が語るもの
 有事に備え備蓄
 党主導で食品流通網を整備
 台湾有事をにらんでか
 
 第6章 終わりの始まり?――共産党の死角
 加速する取材規制
 コロナの爪痕か
 個人崇拝の芽生え
 諸葛亮も「利用」
 ゼロコロナから見る共産党
 戦い抜いた党の末端組織
 2枚の看板
 一人っ子政策との共通点
 末端組織の弱体化と疲弊
 ゼロコロナの正体
 塾規制の異様
 地方を知らない共産党幹部
 戦前の日本に酷似か
 共産党版「失敗の本質」
 都合の悪い情報は上がらない
 深刻なコミュニケーション不足
 ウクライナに残された中国人7000人
 ダイナミズムを欠く組織体質
 公務員試験に殺到する若者
 「科挙より難しい」との声も
 希望が持てない「恐婚族」
 党規約が破られるとき
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