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歴史に向きあう 未来につなぐ近現代の歴史
上製
黒沢文貴
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出版社:東京大学出版会 |
出版年:2020年01月 |
コード: 288p ISBN/ISSN 9784130263504 |
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歴史問題の解決につながるための「歴史の共有」はいかに実現するのか。歴史解釈、歴史的事実、歴史史料の三つの側面を取りあげ、それらに向き合うことを通して歴史学の真髄に迫る。歴史を対立の火種にするのではなく、和解の糧にするための歴史学入門書。
目次: はじめに 一 本書は何を問題にするのか ニ 本書で取り扱う内容
第一部 歴史を歴史にする――対立の火種から和解の糧へ 第1章 昭和戦前期の歴史にどのように向きあってきたのか――「戦争の構造」と「歴史の構造」をめぐって はじめに 一 昭和戦前期理解の原型としての共同謀議論――東京裁判史観 ニ 学界主流としての天皇制ファシズム論――講座派的マルクス主義史学 三 日米戦争論への批判としての一五年戦争論 四 天皇制ファシズム論批判としての革新派論 五 実証研究の隆盛と戦争責任意識および政治性 おわりに
第2章 再び昭和戦前期の「戦争の構造」を考える 一 歴史認識の分裂か、多様な歴史認識の共存か ニ 政治性のまとわりついた歴史認識 三 「歴史」の「政治化」と実証研究、そして「歴史」の「政治化」の「国際化」 四 昭和期の戦争の複雑さ 五 昭和期の「戦争の構造」をどのように理解するのか 六 「歴史を忘れない」ことからくる対立と和解
第3章 歴史と和解――「歴史」の「政治化」から「歴史」の「歴史化」へ 一 「和解」の揺らぎと「歴史」の「政治化」 ニ 個人の和解と集団の和解――「憎悪」からの解放、そして心と心の和解 三 和解の国際比較――いかにしたら「和解」は可能か 四 和解の共通性・双方向性と歴史解釈の開放性・可変性
第二部 歴史の記憶と記録を継承する――国内外における歴史の共有に向けて 第4章 デジタル・アーカイブがすすめる歴史史料の共有――アジア歴史資料センターの設立と役割 はじめに 一 なぜアジア歴史資料センターは設立されたのか ニ いかにしたらアジア歴史資料センターにアクセスしてもらえるのか おわりに
第5章 歴史を知り、学ぶ場としての歴史博物館――舞鶴引揚記念館とユネスコ世界記憶遺産 一 引揚港としての舞鶴 ニ なぜ舞鶴引揚記念館が設立されたのか 三 ユネスコ世界記憶遺産への挑戦 四 登録資料の世界的な重要性 五 登録資料の希少性 六 世界記憶遺産登録の意義 七 歴史博物館としての舞鶴引揚記念館――おわりにかえて
第三部 歴史を記録し史料とする――公文書、私文書、証言記録 第6章 歴史史料としての公文書――占領期までの外交記録の残り方 はじめに 一 外務省文書行政の基礎確立期――太政官時代 ニ 外務省文書行政の展開期――内閣制度創設以降 三 外務省文書行政の発展期――第一次世界大戦以降 四 外務省文書行政の困難期――戦争と占領 おわりに
第7章 歴史史料としての日記 一 近代以降の日記と日記帳 ニ 史料としての日記 三 おわりにかえて
第8章 文書史料とは異なる歴史史料――オーラル・ヒストリーとしてのGHQ歴史課陳述録 はじめに 一 戦史編纂とGHQ参謀第二部歴史課の成立 ニ GHQ参謀第二部歴史課と旧日本軍将校 三 マッカーサー戦史の編纂 四 陳述録について おわりに
補章 歴史を紡ぎ編む
おわりにかえて――歴史と時間 一 何年くらい前の出来事が歴史になるのか ニ 枢要な史料はいつ人の目に触れるようになるのか 三 歴史を次世代にどのように継承するのか 四 人の心の中に平和のとりでを築くために――歴史と和解、そして時間
Learning History,Confronting History Fumitaka KUROSAWA
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