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響き合う東アジア史
上製
三谷博,張翔,朴薫 編
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出版社:東京大学出版会 |
出版年:2019年08月 |
コード: 444p ISBN/ISSN 9784130262668 |
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いま東アジアではどのような関心から、歴史研究がおこなわれているのか。日中韓の中堅・若手歴史家が互いの最先端の研究を披瀝し、その問題設定、方法を詳らかにし、共通性と多様性のなかに東アジアにとっての有意義な新知見はいかに獲得できるかを提示する。
目次: 序章 若手歴史家たちの競演(三谷博,張翔,朴薫)
Ⅰ 環境 1 前漢黄河と『水経注』黄河の特性比較――リモートセンシングデータを利用した黄河古河道の研究(長谷川順二) はじめに 一 従来の黄河変遷説 ニ RSデータと現地調査の比較 三 地形・地質面に見る黄河の特性 おわりに 2 明代湖南省の環境と疫病――通時的・空間的研究(金賢善/鈴木開 訳) はじめに 一 明代湖南省の疫病分布 ニ 環境と疫病 おわりに
Ⅱ 政治体制(前近代) 3 新羅の宦官官府を探して――洗宅(中事省)の性格についての再検討(李在晥/植田喜兵成智 訳) はじめに 一 新羅中・下代の「中使」・「内養」と中事省 ニ 東宮出土木簡からみた洗宅(中事省)の職掌 三 中事省の二元化と高麗の内侍 おわりに 4 一六世紀朝鮮「山林之士」の台頭と薦挙制論議(金映印/大沼巧 訳) はじめに 一 性理学の拡散と「山林之士」の時代 ニ 一六世紀前半――山林之士の進出と薦挙制 三 一六世紀後半――山林之士の地位強化 おわりに
Ⅲ 政治思想(前近代) 5 秩序至上か、君主至上か――司馬光の政治観念に対する再検討(姜鵬/弓場苗生子 訳) はじめに――中央集権と君主専制の差異 一 『資治通鑑』における人物評価の記述法 ニ 国家護持と札制護持の間 三 君臣関係における礼と君主の責任 おわりに 6 日本型兵学の成立――山鹿素行の朱子学批判をめぐって(唐利国/蔣建偉,阿部亘,廣瀬直記 訳) はじめに 一 素行から見た近世政体の欠陥 ニ 朱子学の「究理」から古学の「究理」へ 三 山鹿流兵学の確立
Ⅳ 国際関係(前近代) 7 朝鮮王朝初期「向化倭人」――平道全に関する研究(王鑫磊/呉修喆 訳) はじめに 一 「向化倭人」とは――先行研究及び本章の問題意識 ニ 「向化倭人」・平道全について おわりに――「向化倭人」と一四世紀末一五世紀初頭東アジアの「倭寇」問題 8 朝鮮・後金間の経済関係――東アジア大乱の中の多角貿易と権力関係(辻大和) はじめに 一 朝鮮・後金間の貿易形態 ニ 朝鮮政府の対後金貿易政策 三 朝鮮の対後金貿易政策の背景 おわりに 9 隠すという外交――清に対する琉日関係の隠蔽政策(渡辺美季) はじめに 一 琉球の歴史と中国・日本との関係 ニ 隠蔽政策の開始と展開 三 隠蔽政策と漂着事件 四 隠蔽政策と清朝 五 隠蔽政策と近代国家外交
Ⅴ 西学への対応 10 明治日本「啓蒙」思想の再検討――『明六雑誌』を素材として(河野有理) はじめに 一 啓蒙と漸進主義 ニ ポスト「封建・郡県」論の時代――「封建」の議会/「郡県」の議会 おわりに 11 試験からみた清末の新学導入――清末中国における「知」の近代的変容(孫青/斉会君,小二田章 訳) はじめに 一 新学導入の過渡形式――書院における「課芸」試験 ニ 晩清の教育改革と新学課芸における三つの発展段階 三 一九一〇年の科挙改革後における地方書院の新学課芸――山東臨清校士分館と浙江石門校士館の事例 おわりに
Ⅵ 国際関係(近代) 12 戦争と日本民衆の中国観――種々のメディアを史料として(金山泰志) はじめに 一 非新聞メディアによる民衆中国観の研究 ニ 小学校教育から見る日本の中国観 三 少年雑誌から見る日本の中国観 四 講談・演劇から見る日本の中国観 五 古典世界の中国に対する肯定的眼差し おわりに 13 近衛篤麿と日中関係――二〇世紀転換期における二度の中国渡航を中心に(戴海斌/梶田祥嗣 訳) はじめに 一 近衛篤麿と史料 ニ 第一回中国渡航(一八九九年一〇-一一月) 三 第二回中国渡航(一九〇一年七-八月) おわりに
Ⅶ ジェンダー・資本主義・植民地主義 14 「美名」か「汚名」か――一九三〇年代上海における女性のタバコ消費(皇甫秋実/廣瀬直記 訳) はじめに 一 商業戦略による女性タバコ消費の「美名化」 ニ 経済的圧力による女性タバコ消費の「汚名化」 おわりに 15 帝国日本の「内鮮結婚」(李 正善/久留島 哲訳) はじめに――同化政策と「内鮮結婚」 一 一九一〇―三〇年代における内鮮結婚法制の形成及び運用 ニ 一九一〇―三〇年代における内鮮結婚の宣伝及び実態 三 戦時体制期の内鮮結婚政策及び内鮮混血問題 おわりに
Ⅷ 戦時体制と脱植民地化 16 「聞く主体」の形成と大衆の国民化――戦時日本のラジオ聴取指導(鄭知喜/加藤裕人 訳) はじめに 一 団体聴取の実験と規範的聴取者像 ニ ラジオの生活化と戦時動員 三 太平洋戦争下の聴取指導――必聴と強制聴取の理念と実際 おわりに 17 東アジアの戦後処理――韓人帰還問題を中心に(一九四五―四六年)(黄善翌/辻大和 訳) はじめに 一 連合国総司令部の在日韓人帰還政策 ニ 中国・米国の帰還交渉と在中韓人の帰還 三 サハリン地域――韓人帰還交渉と抑留 おわりに 18 帝国解体の後――旧樺太住民の複数の戦後(中山大将) はじめに 一 本章の狙い ニ 旧樺太住民の分類 三 引揚者および団体の戦後――被害から和解ないしは忘却へ 四 ポスト冷戦期帰国者および帰国者団体の戦後――捩れた加害性 五 残留韓人の戦後――〈記憶〉の衝突 おわりに
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