かつて中国が列強に奪われた領土、すなわち「中国の恥」を描いた地図があるという。その名も「国恥地図」。その実物を手にした筆者は唖然とした。国境線は近隣十八か国を呑み込み、日本をはじめ三か国を切り取り、南シナ海をほぼ囲い込んでいたのだ。こんな地図がなぜ教科書に? 誰がなぜ作らせた? なぜ図面に「日本語」が?――執念の調査と取材で数々の謎を解き、中国の領土的野望の起源を明らかにする。
目次: 第一章 香港返還後の「国恥地図」ブーム 第二章 小学生の地理教科書に「国恥地図」 第三章 もう一枚の「中華国恥図」が描く南シナ海 第四章 蒋介石が始めた「国恥」教育 第五章 国恥地図になぜ「日本語」が? 第六章 地図には「美」と「科学」と「主張」がある 第七章 金港堂と上海商務印書館による「合弁」教科書 第八章 社長暗殺とその後の「国恥地図」 第九章 見るべき五つの国恥地図 第十章 「貧しいときは我慢し、富んだときに復讐する」
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