旅とテキーラを愛する小説家による、世界と自分の境界を巡る旅。 ––––越境とは「境界線を越える」という意味だろう。それは国境にかぎった話ではない。 わたしたちのまわりには、いくつもの境界線がある。初めて小説を書いたとき、わたしはそんな境界線のひとつを踏み越えた。 願わくは、このエッセイ集があなたにとって境界線を跨ぎ越すきっかけとなりますように。––––あとがきより
台湾と日本の国境を越えて過ごした幼年期の回想や越境による喪失感等、アイデンティティをめぐる考察を中心として、不良に憧れた青年時代やケータイを持たない理由、どのように小説を書いているか等、2016年から2019年夏にかけて、西日本新聞、日経新聞他、各紙で掲載されたエッセイの集大成。 リービ英雄氏との対談収録。 2019年7月にホーム社より刊行されたものに、第九章と「対談 金原ひとみ×東山彰良」を加えて再編集。
目次: 曖昧な時代をゆくーー序文にかえて 第一章 バナナ人間の悲哀 第二章 みんな祖母に殴られて育った 第三章 わたしはイケてないし、あなたもイケてない 第四章 テキーラ! 第五章 俺たちはなぜ年相応に尊敬されないのか? 第六章 アメリカはビジネスだ 第七章 トーク・イズ・チープ 第八章 作家の幸福 第九章 コロナ禍にて 読書と猫 対談 リービ英雄×東山彰良 日本語小説の場所としての「台湾」 対談 金原ひとみ×東山彰良 越境する身体、越境する言葉 あとがき 文庫版あとがき 解説(李琴峰)
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