始皇帝 中華統一の思想『キングダム』で解く中国大陸の謎
/集英社新書
渡邉義浩
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出版社:集英社 |
出版年:2019年04月 |
コード: 208p ISBN/ISSN 9784087210750 |
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『キングダム』から、2000年間、中国を「影」から支配してきた原理を読み解く! ・秦の統一は400年早かった。秦を「異常な国」に変えた法家の思想 ・媧燐も李牧も呉鳳明も、なぜ「他国を滅ぼして中華統一する」と言わないのか? ・なぜ鄴の城主は難民を受け入れたか?背後にあった氏族制社会 ・李牧の「七国同盟」は、既得権者たちの抵抗の象徴 ・2000年間、中国大陸を規定してきた国家モデル「古典中国」 ・中国人はなぜこれほど「自信満々」なのか?
秦は「ベンチャー的体質」ゆえに中華統一できた 初の中華統一を成し遂げた秦は、もともと「田舎の小国」に過ぎなかった。 しかし、既得権者も少数だったため、リーダーが「抵抗勢力」を封じ込めることができた。 「技術革新」にいち早く対応し、新たな社会体制を構築できたのだ。 一方の六国は、フットワークが重く、テクノロジーがもたらす「新しい秩序」に背を向けたことで、秦に敗れた。
法家は歴代帝国に引き継がれた 秦が社会体制変革を行なう際に、理論的支柱となったのが「法家」の思想だった。 これにより、国内の全リソースを「君主」一人が管理・収奪するシステムを作り上げる。 秦の滅亡後も、法家は形を変え、歴代国家に引き継がれた。 結果、人類史上、中国大陸でだけ、繰り返し統一帝国が興ることとなった。 中国大陸の帝国が、広大な領土を中央から一律に支配し続けたのは、「始皇帝の遺産」を引き継いだからなのだ。 そして、法家は現代中国でよみがえりつつあるように見える。
『キングダム』で通奏低音のように流れる法家 原泰久氏の漫画『キングダム』では、法家改革後の秦と、旧式の社会体制である六国の対比が見事に描かれている。 本書では、『キングダム』という物語に流れる地下水脈を、25点もの名場面を引用しながら縦横に解説する。
目次: はじめに 第1章 『キングダム』前夜~春秋戦国時代はなぜ550年も続いたのか? 第2章 法家と秦の大改革 第3章 中華統一と空前の権力 第4章 始皇帝はなぜ儒家を憎んだのか 第5章 理想のゆくえ おわりに
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