奇行・幻想・夢――とびきり愉しい中国文学案内
『三国志』『西遊記』『水滸伝』『紅楼夢』……。とてつもないスケールで繰り広げられる華麗な物語世界、烈々たる気概に満ちた奇人・達人の群像。中国文学の魅力をわかりやすく説き明かす第一人者である著者が、「竹林の七賢」をはじめとする個性豊かな人物のエピソードや、興味深い書物、不思議な出来事をめぐって縦横無尽に語る。とびきり愉しい中国文学案内。
目次: Ⅰ 歴史を彩る奇人・達人 とびきりの奇人たち――「竹林の七賢」と明末の知識人 抵抗のパトス――隠者の二つのタイプ 美食家たちの饗宴――始皇帝から『紅楼夢』の世界まで 転換期の「生」の軌跡――明清交替期の知識人たち 政局を動かした講釈師――柳敬亭の生涯 偉大なる失業の達人――孔子・陶淵明・蘇東坡・唐寅 景気・不景気と時代精神
Ⅱ 幻想と夢の物語宇宙 奇想小説の世界 中国「奇書」の系譜 白話短篇小説集「三言」と『西遊記』 中国怪異譚の楽しみ 夢物語のパターン 仙界・異界を訪ねる物語 美少女戦士ムーランの物語
Ⅲ 中国文化プロムナード 東西シンデレラ物語 雛祭り 鏡の魔力 文字遊び 言葉遊び 魯魚のあやまり 名前のタブー推理小説病 『三国志』の快楽 恐るべきコレクター 中国の文人画 棊を打つ仙人 陽性な短気と陰険な気長 二日酔い恐怖症 時計の話 中国の美女二つのタイプ 床と席 「松」と「柏」は縁起が悪い 夜型人間 睡眠願望
Ⅳ 本と人との出会い――わたしの中国文学遍歴 わたしの書店遍歴 本との出会い わたしの「歴史」体験 吉川幸次郎先生のこと 桑原武夫先生のこと 梅原猛先生のこと 高橋和巳さんのこと 夏の終わりに――鶴見俊輔さんのこと
あとがき 「おもしろづくめ」の世界――岩波現代文庫版あとがき 初出一覧
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