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貨幣システムの世界史 /岩波現代文庫
黒田明伸
出版社:岩波書店
出版年:2020年02月
コード:   384p   ISBN/ISSN 9784006004170
 
価格 1,694円
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貨幣の価値が、歴史上の多元的であった事例などから、謎に満ちた貨幣現象を根本から問い直す。

貨幣の価値は一定であると我々は常識的に考えている。しかし、複数の通貨が存在して評価が多元的であるという事例は、歴史上、さまざまな地域、時代にあった。交換という行い自体が多様である以上、貨幣も多様にならざるを得ない――。謎に満ちた貨幣現象を、世界史の中で根本から問い直す。

目次:
序章 貨幣の非対称性
 1 合算できない貨幣たち
 2 手渡される貨幣の論理
 3 還らない貨幣
 4 多元的貨幣論へ

第一章 越境する回路――紅海のマリア・テレジア銀貨
 1 マリア・テレジア銀貨の謎
 2 英仏伊白による鋳造競争
 3 銀貨流通の実態
 4 回路としての貨幣
 5 マリア・テレジア銀貨が語る貨幣論

第二章 貨幣システムの世界史
 1 見えざる合意
 2 地域流動性と支払協同体
 3 銅貨の世界と金銀貨の世界――手交貨幣の二極面
 4 分水嶺としての一三世紀
 5 本位貨幣制と世界経済システム

第三章 競存する貨幣たち―― 一八世紀末ベンガル、そして中国
 1 錯綜する貨幣
 2 超零細額面貨幣、貝貨の世界
 3 競存する銀貨
 4 市場の重層性と通貨の競存
 5 銀流入はインド・中国に何をもたらしたのか

第四章 中国貨幣の世界――画一性と多様性の均衡構造
 1 時代を超越する枠組――「土銭」・「郷価」の世界
 2 銅銭経済の論理
 3 二つの紙製通貨――鈔と票
 4 上下「不」通の構造――秤量銀制度創出の動機
 5 自律的個別性と他律的画一性

第五章 海を越えた銅銭――環シナ海銭貨共同体とその解体
 1 ジャワの万暦通宝
 2 中国における基準銭
 3 中世日本における基準銭の形成とその消失
 4 中世日本における銭貨流通の特質
 5 東南アジアにおける銭貨流通
 6 環シナ海銭貨共同体の遠近

第六章 社会制度、市場、そして貨幣――地域流動性の比較史
 1 貨幣と制度的枠組
 2 自己組織化された地域流動性――伝統中国における小農と市場町
 3 地域流動性の他律的調整――絶対王政期以前の西欧
 4 地域流動性の座標
 5 地域的信用と地方銀行
 6 伝統市場の四類型

第七章 本位制の勝利――埋没する地域流動性
 1 一国一通貨原則の歴史性
 2 小農経済と在来通貨の変容
 3 紙幣と兌換性
 4 脱現地通貨化と恐慌

終章 市場の非対称性
 1 貨幣需要の季節性と通貨の非還流性
 2 「財の交換」と「時の交換」
 3 市場階層の不整合
 4 市場の水平的連鎖と垂直的統合

補論 東アジア貨幣史の中の中世後期日本
 1 常識の非「常識」
 2 明代私鋳の北宋銭、開元銭、そして永楽銭
 3 階層化する環シナ海の銭貨――悪貨は良貨を駆逐せず
 4 分岐する近世東アジア

あとがき
増補新版あとがき
岩波現代文庫版あとがき

参考文献
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