老子の「道」の思想から、「気」の生命観、政治思想、仏教との関わり、日本への影響まで、総合的に解説。老子の「道」の思想を起点に、古代神仙思想、後漢末の太平道と五斗米道、六朝知識人の修養法など、さまざまな思想・運動をとりこみながら形成された道教。その哲学と教理を、「気」の生命観、宇宙論、救済思想、倫理・社会思想、仏教との関わり、日本への影響などの論点からとらえる。丁寧なテキスト読解に基づく総合的入門書。
目次: 講義を始める前に 第1講 道教の始まりと展開 第2講 「道」の思想――通奏低音としての『老子』 第3講 生命観――気、こころ、からだ 第4講 宇宙論――目に見える世界を超えて 第5講 神格と救済思想――自己救済から他者救済へ 第6講 修養論――内丹への道 第7講 倫理と社会思想――政治哲学としての道教 第8講 道教と仏教――三教並存社会のなかで 第9講 道教と文学・芸術 第10講 道教と日本文化 あとがき 読書案内 略年表
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