自らに由ってあらゆる呪縛から独立した人、即ち真の自由人の在り方を臨済・普化などの禅門に、はたまた荘子の中に追求してその「面目」を描く。近代哲学の用語と方法を用いて禅と道家の思想にユニークな解釈を加えた先駆的な業績。昭和六年、三十二歳で逝った前田利鎌の遺著『宗教的人間』の主要部を収めた。 （解説 入矢義高）※重版
目次：
前語
臨済
一 懐疑
二 臨済の面目とその回点
三 禅門の端的と不立文字
四 四料揀と四喝
五 主権の確立と偶像破壊
六 偶像否定と現実肯定
七 最後の否定と最後の肯定
八 肯定の忘却と遊戯
九 臨済の示寂
十 結語
狂僧普化
禅天魔
正眼
随処作主
斬猫
夢堂老漢
荘子
一 前言
二 荘子の認識論と客観的実在
三 表象意識一般と見性論
四 対立の彼岸
五 グロテスクと無用の用
六 死生観
七 無為の為と個性概念
八 荘子の面目と真人の讃美
後語
前田利鎌年譜
解説（入谷義高）
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