『洛陽伽藍記』は北魏に成立し、『世説新語』『水経注』『顔氏家訓』と合わせて南北朝文学の四大巨著とされる。当時洛陽に数多く存在した仏教寺院の40余年にわたる盛衰史であり、各寺院の来歴や規模、建築、奇談怪聞等をまとめている。最大の特徴は、当時の政治経済、文化風俗、風土人情、伝説故事など当時の世相を反映する様々な事象が併せて記録されている点にあり、高い文学性と史料的価値をそなえている。本書は周祖謨による校釈に基づいて全文に現代語訳をつけ、詳細な注解を付す。 目次: 引言 原序 【巻一 城内】 永寧寺/建中寺/長秋寺/瑶光寺/景楽寺/昭儀尼寺/胡統寺/修梵寺/景林寺 【巻二 城東】 明懸尼寺/竜華寺/瓔珞寺/宗聖寺/崇真寺/魏昌尼寺/景興尼寺/庄厳寺/秦太上君寺/正始寺/平等寺/景寧寺 【巻三 城南】 景明寺/大統寺/秦太上公寺/報徳寺/正覚寺/竜華寺/菩提寺/高陽王寺/崇虚寺 【巻四 城西】 冲覚寺/宣忠寺/王典御寺/白馬寺/宝光寺/法雲寺/開善寺/追先寺/融覚寺/大覚寺/永明寺 【巻五 城北】 禅虚寺/凝玄寺/宋雲恵生使西域/京師建制及郭外諸寺/付録 年表
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