「日本生まれ、香港育ち」の「ニホンコン語」
「港式日語」とは、香港において日常用語として定着した日本語のこと。本書は、約300の「港式日語」を収録しており、時代ごとに3章に分けて紹介している。
第1章は1960年に大丸百貨店が銅鑼湾に開業して以降に使われるようになった語句。
大丸百貨店は1998年に閉業したものの、「大丸」行きのバスは今でも存在しており、香港で日常的に使われている日本語と言える。他にも「電飯煲(電気炊飯器)」「益力多(ヤクルト)」「卡拉OK」「Chotto matte」などがある。
第2章は円安の影響で香港から日本への観光客が大きく増えた2000年以降の語句。
「特賣場(特売場)」や「大割引」「激安」「新發賣」は買い物、「烏冬(うどん)」や「迴轉壽司」「抹茶」「Wasabi」「章魚燒(たこ焼き)」は日本料理、「宅男(オタク)」や「草食男」「聲優」「卡哇伊(かわいい)」はサブカルと、いずれも日本旅行を堪能する観光客の姿が目に浮かぶ。
第3章はコロナ禍およびそれ以降の語句。
コロナ禍においてもラーメン屋や居酒屋、スーパーなどの日系店は増え続けていた。その中で「Irasshaimase」「拖蘿(トロ)」「茶漬飯」などの食べ物関係、「定番」「特典」「初回限定版」などの広告関係の日本語がよく使われるようになった。他にも「傲嬌(ツンデレ)」「女子力」「壁咚(壁ドン)」「視覺系(ヴィジュアル系)」というサブカル系語句も紹介している。
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目次:
第一章 懷舊 なつかしいことば
人
地方
日常用品
飲食
娛樂
第二章 常見 よくつかうことば
人
地方
日常用品
飲食
娛樂
廣告
語法結構
第三章 新興 あたらしいことば
人
地方
日常用品
飲食
娛樂
廣告
語法結構
附錄一 使用率較低的新興港式日語
附錄二 港式日語借用形式
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