映画『戯夢人生』(93)など候孝賢映画の名脇役にして、布袋戯の大家である李天禄。長男・陳錫煌は、母の姓を継いだ事で父との間に深い葛藤が生まれ、自身が80歳を超えた今も、そのわだかまりは消える事はない。12歳から布袋戯の人形遣いとして芸を磨き、家を継ぐこと、名前を継ぐこと、芸を継ぐこと、親子でありながらも師弟であるが故の深く抜け出しがたい感情。どの時代にも共通する、親子のそして師弟の葛藤と、天命を知る者ゆえの闘いの記録が描きだされる。 若くして台湾アカデミー賞といわれる金馬奨最優秀ドキュメンタリー賞を受賞し、その後も金馬奨50周年記念作品『あの時、この時』をはじめ多くのドキュメンタリー映画を世に送り出している楊力州監督。本作では陳錫煌の人生から台湾の翻弄された歴史そのものを描き出し、大阪アジアン映画祭2019特集企画《台湾:電影ルネッサンス2019》で上映され、大きな話題となった。布袋劇とそれに関わる人々が体験した悲喜交々の出来事は、そのまま台湾の歴史であり、一世紀に及ぶ台湾の歳時記でもあるのだ。
監修:侯孝賢 監督:楊力州 出演:陳錫煌 プロデュース:朱詩倩、田欣樺、黃丹琪 演出:朱詩鈺 発行/制作/配給:後場音像記録工作有限公司 映画配給会社:星泰国際娯楽股份有限公司 特別感謝:中華文化総会 原題:紅盒子-Father 後援:台北経済文化代表処台湾文化センター 協力:大阪アジアン映画祭 日本語字幕:青井哲人+亭菲 提供:太秦・マクザム 配給・宣伝:太秦
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