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雨に呼ぶ声
余華/飯塚容 訳
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出版社:アストラハウス |
出版年:2020年10月 |
コード: 358p ISBN/ISSN 9784908184017 |
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カフカなど海外文学の影響を受けて、夢と現実、常識と非常識、正気と狂気、さらには生と死の境界を超越して人の世の不確実性を描き、そのあたらしさと実験性をもって、中国文壇で「先鋒派」と呼ばれた余華。ノーベル文学賞の候補として常にその名が挙げられる余華の、先鋒派時代の最後を締めくくる作品にして、はじめての長篇。ファンのあいだで長く邦訳が待たれていた幻の名作。
1960~70年代の中国。主人公の幼児期から青年期までの記憶を辿る物語。主人公・孫光林(スン・グアンリン)は南門(ナンメン)という貧しい村に三人兄弟の次男として生まれ、六歳で、町に住む子どものいない夫婦のもとへ養子に出される。幼少期を町で過ごし、十二歳のとき、養父の死によってふたたび村に戻ってくるが、この間の不在が、彼を実家の家族から孤立させてしまう。そのため、主人公は、思春期を孤独で内省的な少年として過ごし、成長していくことになる。全編、主人公のモノローグ。綾なす糸のようにとりとめなく記憶の表出を交錯させつつ、物語は秩序なく紡がれていく。周囲の人々が繰り広げるなまなましい憎悪、暴力、嫉妬、性愛……。主人公自身の幼児期の記憶、性の目覚め、自分につながる家族の歴史……。プリミティブで、情動のままに生きるエネルギッシュな周囲の人々。それらが巻き起こす、ろくでもなく、凄絶で、真摯で、ときにばかばかしく、哀れで、ユーモラスで、そして愛すべき事件の数々。ある人はあっけなく、ある人はしぶとく死んでいく。まさにそれが人生であるというかのように。
目次: 第一章 南門/婚礼/死/出生 第二章 友情/戦慄/蘇宇の死/年下の友人 第三章 はるか昔/残り少ない命/消失/父を打ち負かした祖父 第四章 威嚇/放棄/無実の罪/南門に帰る
『雨に呼ぶ声』日本語版刊行によせて(余華) 解説(飯塚容)
【原著】 436880 『在细雨中呼喊/新经典文库』 余华 北京十月文艺出版社 2018年05月
210403 『在细雨中呼喊/余华作品』 余华 作家出版社 2017年09月
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