プロパガンダの文学 日中戦争下の表現者たち
上製
五味渕典嗣
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出版社:共和国 |
出版年:2018年05月 |
コード: 448p ISBN/ISSN 9784907986452 |
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火野葦平、石川達三、上田廣、小林秀雄から無名の一兵卒まで――。 かれらの表現は芸術なのか、それとも軍・官の情報を宣伝・拡散するツールにすぎないのか? 1937年7月に勃発した日中戦争下のさまざまな資料を駆使して、軍による報道・宣伝・検閲の実態に肉薄し、従軍作家の《書法》を読みとく。
目次: はじめに 1 本書の視角 2 対象・方法・議論の射程 3 本書の構成 第一章 プロパガンダとしての文学 1 交差するテクスト 2 「生きてゐる兵隊」事件の問題性 3 プロパガンダとしての『麦と兵隊』 4 戦記テクストの情報戦争 第二章 文学・メディア・思想戦 1 〈従軍ペン部隊〉とは何だったのか 2 武漢作戦の宣伝戦略 3 思想戦と文学者 4 〈従軍ペン部隊〉の歴史的意義 第三章 戦場を書く文体 1 問題の所在 2 戦場を書く文体 3 制約と変形 4 テクストの破綻? 第四章 スペクタクルの残余 1 禁じられた記憶 2 記憶の動員 3 スペクタクルの残りのもの 第五章 曖昧な戦場 1 〈敵の顔〉の不在 2 戦場の教養小説 3 戦場と〈人間性〉 4 〈われわれ〉の中の断層 第六章 言語とイメージのあいだ 1 言語とイメージのあいだ 2 〈思想戦=宣伝戦〉論の問題構成−日中戦争期のプロパガンダ論議 3 内攻する「思想戦」−プロパガンディストの思考空間 4 戦時体制下の言説管理−検閲と統制の競合関係 第七章 中国の小林秀雄 1 問題の所在 2 文学(者)の領分 3 それぞれの職場 4 友情の効用 第八章 歴史に爪を立てる 1 問題の所在 2 帝国の総力戦 3 親日と反日 4 金史良「郷愁」に響く声 5 テクストという名の戦場 おわりに 坂口安吾の一二月八日
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