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漢とは何か、中華とは何か
上製
後藤多聞
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出版社:人文書館 |
出版年:2017年04月 |
コード: 416p ISBN/ISSN 9784903174365 |
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中国共産党の習近平総書記は、2012年11月の国家主席就任演説で言う。──5千年余りの文明発展のなかで、中華民族は人類文明の進歩に不滅の貢献をした。近代以降は苦難を経験し、中華民族は最も危険なときに至った。私たちの責任は、党と全国の民族と人民を団結させ、中華民族の偉大な復興を実現させることだ。── 習近平氏の発した「中華民族」、そして「中華の復興」とは、いったい何なのか。 二十年前、テレビ・ドキュメンタリスト後藤多聞は、NHKスペシャル「故宮~至宝の語る中華五千年」の番組制作に取り組んだ。かねて番組制作へのアドバイスをしていただいていた歴史文学者の司馬遼太郎さんは、静かに助言をした。「漢とは何か、中華とは何か」という視点を絶えず念頭におくように、と。その視点は司馬さんの友人陳舜臣さんの発言と軌を一にしたものであった。それらの見識は「故宮」に反映され、中国・台湾双方の識者の認めるところともなった。 以来、多民族国家・中国に於ける漢民族、あるいは漢民族意識、中華意識の成立過程を探る「司馬さんからの宿題」に、長い時を経て、ようやくにして答えを見出す。 それは「塞外の民」「五胡」と呼ばれた騎馬遊牧民族をたどることによって得られるもう一つの中国の歴史を「みる眼」でもあった。その長かった探究の道程をスリリングに物語りながら、ユーラシア史・中国史研究の一つの到達点を示してゆく。 その運筆の生彩に、読者は知的昂奮をさえ覚えるであろう。畢生の労作誕生である。
目次 序章 「中華」の不思議──「中華」と「漢」 第一章 騎馬民族 跳梁──大河小説のような 第二章 虹へ 若武者の野望・氐族(ていぞく)符堅──氐、胡ならず 第三章 知られざる大仏の道──巨大仏はどこで生まれたのか 第四章 草原からの若い風 拓跋一代記──「皇帝即如来」から「中華」へ 第五章 虹をつかんだ青年 孝文帝)──「中華」帝国誕生 第六章 周隋唐、武川に出ず──拓跋国家の系譜 第七章 虹よ 永久に──志を継ぐもの 終章 亡国と革命──歴史のなかの「中華」、そして現在 主な参考文献/図版・写真出典一覧 あとかぎ
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