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酒井定吉とその時代 一共産主義者の星霜
酒井誠
出版社:知道出版
出版年:2024年01月
コード:   392p   ISBN/ISSN 9784886643551
 
価格 2,530円
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【日本の近現代100年の眺望】―新発見の資料再録
反戦投獄15年、風雪に耐え抜いた生涯
中国へ留学、毛沢東思想に傾倒した息子は日本共産党を除名。激しく対立し、断絶したまま逝ってしまった父。
没後五十年のときを経た息子誠の静かなる追想の旅は、自らの思想への痛切な問い直しでもあった……

目次:
まえがき

序章 プロローグ
 私の北京留学/日中両共産党の取決め/行きそこねた〝ルムンバ大学/玄界灘を越え上海へ/父も見たバンドの光景

第一章 革命ロシアへ密航
 1、中継地「上海」へ
 「旅行しないか、遠いところだが……」/「副領事のウェルデに会え」/全露消費者協同組合上海事務所
 2、旧コミンテルン極東局を探して
 地図にない「広東路四一号」/幻の〝大陸報社ビル/モスクワへシベリア横断十六日

第二章 労働運動の中へ
 1、彷徨の青年時代
 十二歳で丁稚小僧に/炭鉱夫や機械工を転々と/国鉄を馘首される
 2、名古屋での労働運動
 協友会名鉄支部を結成/会社側の弾圧と警察の暗躍/支部長解雇で組織が壊滅
 3、検挙・投獄の洗礼
 「プロフィンテルン」規約を渡される/秘密結社「エルピー会」を組織/いわゆる「名古屋共産党事件」/強烈な印象の総同盟大会/「政治研究会」静岡支部を組織/「評議会」創立大会に参加
 4、父と葉山嘉樹の間
 葉山の妻・喜和子の出奔/小説『歪みくねった道』の虚実

第三章 クートヴェでの日々
 1、革命運動の道を決断
 敗北から学んだ天皇制国家の本質/解党機器と「ボリシェビキ化」
 2、クートヴェの学生たち
 百を超える学生の人種/台湾から来た謝雪紅/蒋介石の長男・蒋経国の場合
 3、学校生活と革命教育
 優遇された生活条件/「革命幹部候補生」の教育とは/通訳者エロシェンコ氏/クートヴェの旧址に立って
 4、任務をおび帰国の途へ
 玉石混淆だった学生たち/「三・一五」前夜に入党/党再建の先発隊として/帰国時の潜入ルート

第四章 戦前の地下闘争
 1、軍部の擡頭とファッショ化
 対象から昭和初めの事件史/世界大恐慌と迫る「暗い時代」
 2、弾圧の嵐「三・一五事件」
 ファシズムへの序幕/小説『一九二八・三・一五』の一場面/正当化された官憲のテロ
 3、「四・一六事件」で投獄
 「四月十五日検挙さる」/弾圧下の対支出反対闘争/非命に斃れた渡辺政之輔/神戸地方のオルガナイザーに/国領五一郎の法廷陳述/暗号を解読された党員名簿/間庭末吉の訊問調書
 4、「治安維持法違反事件」統一公判
 獄内細胞をつくり闘う/法廷で秘密裁判に抗議/獄吏の残忍な報復テロ/多喜二と魯迅を繋ぐもの/相次ぐ党指導者の虐殺/多喜二が体験した未決監獄/判決下る〝懲役六年
 5、転向者とスパイ
 雪崩をうつ大量転向/スパイMは「ヒヨドロフ」だった/仕組まれた「銀行強盗事件」/疑心暗鬼が党内に蔓延/函館刑務所へ下獄
 6、「京浜グループ事件」で再入獄
 内外情勢の重大な変化/すべてを反ファシズムへ/山代吉宗との出会い/加藤四海との再会/党再建グループの検挙/浅原正基氏の回想/伊藤律への拭えぬ疑念/不審死を遂げた加藤四海/思想の非転向性

第五章 戦後の党活動―その光と闇
 1、政治犯の出獄
 長谷川浩の証言/〝出獄歓迎人民大会/松島、梨木両氏の回想
 2、党再建の活動
 出獄の翌日から党再建活動に/高まる大衆運動の波/戦前回帰の「逆コース」/「労働運動史研究会」
 3、党史資料の蒐集
 党史資料委員会の活動/「水野資料」の由来/『党史年表』への書き込み/犬丸義一氏への聞き取り/良くも悪くも「くそ真面目」
 4、緊張高まる冷戦下の日本
 「革命の秋来たれり」/毛沢東とミコヤンの秘密会談/劉少奇演説「中国の道」/国際権威の「平和革命」批判/アカハタ停刊と非合法紙発刊
 5、五〇年代の非公然活動
 五一年綱領と極左路線/元軍事委員長の回想/別名は「中国人民大学第二分校」/中共中央対日工作者の証言/党内点検運動との関わり/中国、対日方針を転換
 6、スターリン、毛沢東と朝鮮戦争
 中ソ同盟の形成と朝鮮戦争の起源/中国が参戦を決めるまで/毛沢東の決断、その動機と背景/自己矛盾に陥った米国の対中政策/戦争当事者それぞれの「誤算」
 7、白鳥事件とトラック部隊
 偽りの冤罪「白鳥事件」/事件の潜行者を統括/大西氏の命に映じた父/闇の中の「トラック部隊」/極左路線の後始末

第六章 父と周辺の人々のこと
 1、父との思い出
 道玄坂裏甘味処「谷間」/血の通わぬ死んだ爪/忽然と消えた五年間
 2、周辺の人びと
 新時代の息吹を浴びた外曾祖父/「奉天」で薬舗を開いた外祖父/「満州」生まれの三姉妹/親しかった人びと/中学・高校で出会った友人たち

第七章 父子の別れ
 1、文化大革命前夜の北京
 旧租界の香り残す上海/学校の裏は「人民公社」/掲示板に貼られた批判論文
 2、青年大交流めぐり分裂
 迫る「人生最大の転機」/党代表の妨害工作に反抗/父に宛てた決別の手紙/問答無用の除名通告/毎日新聞の報道
 3、文化大革命下の日々
 「除名されてよかった」/学校の文化大革命に参加/ビートルズを知らない「紅衛兵」
 4、私の帰国
 口喧嘩が今生の別れに/日中友好協会の専従に
 5、革命幻想の崩壊
 毛沢東の死と「中国の道」の破綻/「中ソ論争」とは何であったか/権威は疑わねばならない
 6、父の死
 「白鳥事件」との不思議な縁/「過去」を捨て去ることはできない/もの言わぬ父と対面/それからのこと

終章 エピローグ

あとがき

注釈
酒井定吉 年譜
参考文献
附録① 自筆経歴書
附録② 遺稿「『コミンテルンの密使』か挑発者か」
附録③ 遺稿「『日本共産党主義運動史』について」
附録④ 聞書「金子健太君の想い出 口伝」
附録⑤ 裁判資料「葉山外十一名治安警察法違反被告事件」
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