動物・植物・鉱物から探る古代中国
/日中共同研究成果報告書3
上製
中村慎一 編/浅見真生,伊藤毅,浦蓉子,江田真毅,上條信彦,神谷嘉美,金原正明,金原正子,金原美奈子,川崎雄一郎,菊地大樹,熊谷真彦,齋藤哲,杉山真二,竹井恵美子,高井正成,高橋和也,高椋浩文,鶴来航介,中村慎一,西原和代,原田幹,平山廉,水野文月,南武志,村上由美子,桃井宏和,山下優介,陳明輝,蒋楽平,劉斌,楼航,宋姝,孫国平,王瀝,王寧遠,王永磊,閻凱凱,趙曄
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出版社:六一書房 |
出版年:2024年03月 |
コード: 266p ISBN/ISSN 9784864451772 |
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われわれ現代人の日々の生活において、動物・植物・鉱物といったいわゆる自然物との関係はきわめて希薄になっている。しかし、新石器時代の中国においては、食料として、道具の材料として、あるいは建材として、自然物は日常に存在していた。生活文化の大部分を自然物が占めていたと言い換えてもよい。 考古学的遺跡から出土する遺物のうち、何らかの形で人の手が加わったものを人工遺物、加わっていないものを自然遺物と考古学者は呼びならわしている。しかし、その区別は便宜的なものにしかすぎない。人工遺物であっても、その素材は粘土(土器)、石塊(石器)、樹木(木器)、動物骨(骨器)といった自然物であることに変わりはない。そこに、狭義の考古学者だけではなく、人類学、動・植物学、遺伝学、分析化学、地球化学などの専門家が研究に参画する必然性が生まれる。 本書は、そうした研究者グループにより進められている日中共同研究プロジェクトの研究成果の一部を収めたものである。「Ⅰ 遺物の考古学的研究」「Ⅱ 動植物遺体と動植物利用に関する研究」「Ⅲ 出土遺物の考古科学的研究」の3部構成としたが、この区分もまた便宜的なものである。いわゆる文系の学問と考えられている考古学であるが、実は自然科学者との協働なくしてはもはや成り立たなくなっている。逆に言えば、自然科学との学際的連携によって考古学は新たな飛躍のチャンスを手に入れた。伝統的な学問としての「中国学」の世界に新風を吹き込もうとする研究者たちの奮闘する姿がここにある。
目次: Ⅰ 遺物の考古学的研究 1.田螺山遺跡出土石器とその使用痕分析 上條信彦・原田幹・孫国平 2.跨湖橋遺跡出土木器 村上由美子・齋藤哲・中村慎一・蒋楽平 3.田螺山出土木器(2) 浦蓉子・川崎雄一郎・鶴来航介・西原和代・村上由美子・桃井宏和・山下優介・王永磊・孫国平 4.江家山遺跡出土木器 村上由美子・桃井宏和・中村慎一・楼航 Ⅱ 動・植物遺体と利用に関する研究 1.現代カザフスタンにおけるキビとアワ 竹井恵美子 2.銭塘江流域新石器時代前半の環境と生業の実態 金原正明・金原正子・杉山真二・金原美奈子・劉斌・孫国平・蒋楽平・趙曄・王寧遠・閻凱凱・王永磊・陳明輝 3.良渚古城遺跡群・鍾家港南段地点および卞家山地点出土の鳥類遺体 江田真毅・宋姝・菊地大樹・劉斌 4.中国の新石器時代の遺跡から出土するカメ類の遺骸 平山廉・孫国平・王永磊 5.中国浙江省の考古遺跡から出土したサルの化石 東アジアにおけるマカクザルの分布域の変化に関する考察 浅見真生・伊藤毅・高井正成・孫国平・王永磊 Ⅲ 遺物の考古科学的研究 1.古代日本の遺跡から検出された中国産と推定される水銀朱について 神谷嘉美・高橋和也・南武志 2.田螺山遺跡出土のチャノキとみられる遺物のDNA 分析にむけて 熊谷真彦・水野文月・王瀝
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